地下鉄のエレベーターへとつながる長いスロープを車いすで上っていると、横を歩いていたおしゃれな女性に声をかけられた。(←★句点残す★改行しない)「このスロープ、しんどいでしょ?私もエレベーターまでいくので、(車いすを)押しますね」。
 一緒に乗ったエレベーターから降りて別れる時、女性にお礼を告げると、(★改行しない)「気をつけてね」と爽やかな笑顔で返してくれた。(★改行しない)見知らぬ女性の気づかいと笑顔が、沈んだ★心★にほんの少し元気を吹き込んでくれた。
 車いすに乗るようになる以前には、日常の暮らしの中でおきる、ちょっとした出来事に気持ちが動くことはあまりなかった。(★改行しない)何でもないような日常生活の中に、実はたくさんの幸せが転がっていること。それに気づかせてくれたのは、車いすとの日々だった。
 そう思うと、また少し元気になれた。
 思い★返★せば、車いすに乗りはじめた頃は、こういった通りすがりの人たちの親切が、知らず知らずのうちに次の場所へと向かう原動力となっていた。(★改行しない)もしかすると、それは今も変わらないのかもしれない。