今日は、ノンに代わってオイラ、車いすが日記を書こう。

 とても蒸し暑かった今日、ノンは、オイラ、車いすを見るなり、だるそうな顔でいった。「いいよね。“車いす”はどんなに暑くても夏バテ知らずで」。(★句点残す★改行しない)そのいい方が八つ当たりのように聞こえて腹が立ったオイラは★返した。★「オイラは車いすだから夏バテはしないけどさ、今、タイヤの空気が減っていてしんどいんだよね。時々シューっていう小さな音がして、それが空気が抜けていくことを意味するってこと、わかってるんでしょ?何とかしてくれないかな?これじゃぁ、夏バテならぬ“エアーレスバテ”しちゃうよ」。(★句点)
 すると今度は、いかにも不機嫌そうな声でノンが(★読点なし)いい返してきた。(←★ここに)「落ち着いたらちゃんとやるからおとなしく待っててよ。だいたい私がいなきゃどこへもいけないくせして、何、生意気なこといってんの?」。
 もう我慢の限界だった。(★改行しない)「オイラがいないとどこへもいけないのはノンの方じゃないの?」。(←★句点★改行しない)そういいはなつと、ノンと口をきくのを一切やめた。(★改行しない)もう二度とノンなんかと口をきくものか。明日からストライキだ。ノンのために働くのなんてまっぴらだ。(←★句点)ケンカをする度、本気で思う。
 けれど、ケンカした次の日、「私、少しくらい古びてきても、ずっと一緒に思い出つくって、ずっと見てきてくれたchairちゃん(車いすの愛称)じゃないとダメなんだ」(★改行しない)と(★読点なし)しおらしいことをいわれると、つい前日の悪態を許して、またノンのために身を粉にして働いてしまうのだった。