(※このブログは自分が観た映画を記録する為に綴っています。観てから数年経っていて記憶が曖昧なものもあります。映画の内容や登場人物の心情など、全て個人的な解釈となりますのでご了承ください。 )

 

 

 

 

 

 

今回記録する映画は『blank13』。

主人公・松田コウジは幼いころから貧しい家庭で育ち、自身が小学生の頃、父親である雅人が蒸発してしまう。雅人が居たころは川辺でキャッチボールをするなど父親らしいことをされた記憶もあるが、それは極ほんの一部で、大半は辛い思いでだった。

家族で食事をしている時にも、家に押し掛ける借金取り。怯えて暮らすような生活をしていたが、ある日雅人は煙草を買ってくると言ったきり家には戻ってこなかった。

 

 

雅人が家を出てからは母親がコウジと兄のヨシユキ2人を育てた。朝昼晩と休むことなく働き続ける母親のおかげで、コウジとヨシユキは立派な大人に成長していた。今はそれぞれ独立し生活していた3人だったが、兄のヨシユキは大手広告代理店に勤める等して母親に生活費を渡すなど、支え合って生きていた。コウジは現金輸送の会社に勤めている。

 

 

 

そんな3人に雅人が末期癌で入院しているとの情報が入る。

3人はお見舞いに行くかとお互い聞くが、誰一人としていく気にはなれないと答えた。しかし、コウジは気まぐれか、雅人のお見舞いに行くことに。そこにはキャッチボールをしていた時の父親の姿があった。あの頃と変わらないぶっきらぼうな父親。2人で煙草を吸っていると雅人の携帯に一本の電話が入る。

 

 

 

それから2か月。コウジはお見舞いに行きたがらなかったが、彼女に諭され渋々お見舞いに行くことに。ついこの前あった時とは打って変わって瘦せこけた雅人の姿にコウジは少なからずショックを受けた。それからしばらくしないうちに雅人はこの世を去った。

 

 

 

葬儀会場に現れたのは、コウジとヨシユキ、コウジの彼女の3人。その他には、知らない雅人の知人がちらほら。人望もなかった雅人の人生を憐れむ3人だったが、葬儀に参列した雅人の友人らから、コウジとヨシユキ、母親さえ知らない雅人の人生が明らかになっていく。友人らの話を聞いたコウジ達は何を思うのか。

 

 

 

 

 

 

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主人公を演じるのは高橋一生さん。兄役に斎藤工さん。彼女役に松岡茉優さん。父親役はリリーフランキーさんです。

物語は、現代と子供の頃の思い出を行き来しながら進んでいきます。決して恵まれた家族とは言えませんが、そこには確かに一つの絆があったかのような、心温まるストーリーでした。

 

 

リリーさんはこういうダメな父親を演じるのがうますぎます。キャラにドはまりした見た目と演技が今作品でも光っていました。

物語の前半パートは子供時代の辛い思いで、中盤にかけて、コウジが思い出す雅人との少しばかりの楽しい思い出が描かれます。

 

 

そして終盤、ラスト2~30分位は葬儀場でのシーンになります。ここからは作品のテイストが「あれ?」と変わるのですがそれは見てのお楽しみ。ちなみに葬儀に参加した友人には佐藤二郎さんもいます。後半は佐藤さんが主役級の動きを見せてしまいます。

 

 

一回、朗らかなムードにしながらもエンディングはしんみりエモく終わります。特にエンディング曲「家族の風景」が流れるシーンは鳥肌もの。あのシーンだけでもこの映画を観てよかったと思えるほど心に沁みました。映画のタイトル『blank13』は雅人が失踪していた13年間を表しています。

 

 

そしてこの作品、監督は兄役でも出演している斎藤工さん。俳優も監督もこなす天才です。長編作品初監督とは思えない作品でした。

 

 

 

映画『blank13』。

長さも90分程で仕事終わりなんかにサクッと観ることが出来る丁度いいボリュームです。映画を観た後は「家族の風景」が頭から離れなくなりました。終わりよければ良作品。

 

 

 

 

予告編

 

 

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