(※このブログは自分が観た映画を記録する為に綴っています。観てから数年経っていて記憶が曖昧なものもあります。映画の内容や登場人物の心情など、全て個人的な解釈となりますのでご了承ください。 )
今回記録する映画は『GO』。
国籍は韓国でありながら家族と共に日本に住む主人公・杉原。彼は中学まで民族学校に通っていましたが、高校からは日本の学校に通うことに。元々、たばこを吸うわ、喧嘩っ早いわで、不良だった杉原は高校では真面目に頑張ろうと決めます。部活にも入り、青春を謳歌しようとしていました。
しかし、ある日、所属するバスケ部での試合中、事件が起きます。
杉原には一向にパスが来ず、まるで存在していないかのような扱いを受けます。それもそのはず、杉原は仲間内で”在日”と差別されていたのです。差別行為にキレた杉原。試合そっちのけでチームメイトに殴る蹴るの暴行を加えます。そのことが原因で杉原はバスケ部をクビに。また喧嘩ばかりする日々に戻ってしまいます。
ある日。杉原がぼこぼこにした相手がヤクザの息子だったことが発覚。なぜか気に入られ仲良くなります。そして彼が主催するパーティーに招かれることに。そこは音楽が爆音で流れるフロアで男女が入り乱れ踊り、中には葉っぱを楽しむ輩もいる等、杉原にとっては居心地のよくない場所でした。
しかし、そこで出会った女性、桜井。彼女との出会いや恋愛が、杉原の考え方や生き様を大きく変えるのです、、、。
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主人公を演じるのは窪塚洋介さん。ヒロインの桜井を演じるのは柴咲コウさんです。
この作品のテーマは”人種差別”かなと個人的には思いました。いわゆる在日である杉原が在日であるがゆえに差別されてしまったり。また、ある出来事に対し、同胞らは復讐をすると息巻くのですが、杉原は仲間は復讐なんて望んでないと、同じ在日でも考え方や思想に違いがあることを常に表現していました。
中にはヤクザの息子みたいに、杉原が何人かなんて関係ないと考える人も。杉原自身もそう考えており「俺は俺だ」と言い張ります。差別してた側が人種なんて関係ないと尊重することはよくありますが、差別される側が杉原みたいな主張をするのはどこか斬新でした。
桜井と杉原は自然とお互いに魅かれ合い、恋愛関係になるのですが、杉原はすぐには自分が在日と伝えませんでした。特に意味は無いようで心のどこかで不安だったのかもしれません。杉原でもビビることはあるようです。それだけ桜井には惚れこんでいたんでしょうね。
個人的に、途中杉原と交番勤務の警官が橋で話すシーンが好きです。男同士の話、あって間もないのに共感できちゃうあの感じが素敵でした。
在日と聞くと、やはり差別的な要素を含んだ言葉と浸透していますよね。元々は外国の人が日本に滞在・居住することを指したり、日本になかったものが存在したり(軍基地や大使館など)した時に用いられる言葉なのですが、いつからか差別用語の扱いになっています。日本人の多くは杉原の事を受け入れるのは容易、というか当たり前というか、そんなそこまで韓国人だから何?っていう感覚を持っていると思います。ただ中にはやっぱり外国人が少し苦手だったり怖いと感じる人もいるでしょう。今作品はそんなリアルな反応もうまく表現しています。
自分が受け入れられるものが必ずしも他人も同じとは限りませんし強要することもない。そこのズレはお互い尊重し合えばいいのかなと思います。同じ日本人同士でも嫌い合う人もいるから、国がどうこうというのは今はもう少数派でしょう。
繊細なテーマの作品ですが、内容は暗くなっていません。笑えるシーンもありますし、やはり窪塚さんの演技は観てて飽きません。柴咲コウさんも若い時なのにオーラがあるし、この2人が付き合ってて街を歩いていたら嫌でも目立つ気がします。
恋愛4.5在日4.5親父1といった割合の映画でしょうか。親父の1は観て確かめてください。
映画を観る前と観た後では在日という言葉に対して考え方が少し変わる人もいるかもしれません。
難しい表現にはしていないので気軽に観れる作品ですよ。窪塚さんが好きという人は観て間違いない作品です。
映画『GO』。
自分はこれまで3回は観ました。公開は2001年。あの時代の雰囲気がすぐ感じれる作品です。今見ても違和感ないのが逆にすごい。
是非観てみてください。
予告動画