ふと前を向くのがしんどくなって下を見る。


そこにはボクに踏まれる靴がいた。


いたたまれなくて上を見る。


そこには奔放に輝く欠けた月がいた。


自分が恥ずかしくて後ろを見る。


そこには口を開けて上を見ているボクがいた。



ボクはひとたび息をついて、また前を見た。
空想の世界へと





まずは目を閉じます。


眠る前など良いでしょう。




今の自分の全身を想像します。





目の奥から光のように差し込み、網膜から神経と血液に誘われて体中をミクロの単位でさ迷うようなイメージをします。





ひとしきりのスピード感で一度ミクロの旅を終え、ふたたびねころがる自分を思い浮かべます。




ただひっそりと静かに





ふんわりとした気持ちになったところで雲を突き抜け、自分のいる場所から大きく日本を見渡し、地球を眺め…



すると真っ暗な空間で激しい風と点々と広がる星の数々につつまれ、漂います。





ただ一人でゆっくりと、








そのあとは来た道を急ぎ足で帰ってください。








その自分の姿を眺めながら目を開いてください。










どうぞお帰りなさい。





ここが、空想です。