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3月12日の夜、実父の危篤の知らせが入った。

その知らせを受け、翌朝すぐに帰省。

 

認知症の治療のために入院していた父は、

誤嚥性肺炎がいったん治ったものの、

口から食事を取ることができなくなり、

寝たきりの状態が続いていた。

その2ヶ月後、父は静かに天国へ旅立った。

 

死亡診断書の死因欄には「誤嚥性肺炎」と記載されていた。

けれど、家族としては「肺炎は治っていたのに」という思いがあり、できれば「老衰」としてほしかった。

 
実は、こうしたケースは珍しくないそうだ。
誤嚥性肺炎そのものは一度治っていても、誤嚥をきっかけに食事が取れなくなり、体力が大きく落ち、寝たきりになり……という一連の流れ全体が“誤嚥性肺炎に端を発した経過”とみなされることがあるという。
 
死亡診断書では、
• 最終的な直接死因
• その原因となった基礎疾患
• さらにその原因となった出来事
という“因果の流れ”を記載する決まりがあり、
医師は「どこからこの経過が始まったのか」を重視して判断するのだそうだ。
 
そのため、たとえ肺炎は治っていても、
誤嚥性肺炎 → 食事が取れない → 体力低下 → 全身状態の悪化
という流れがあれば、最初の引き金である「誤嚥性肺炎」が死因として書かれる。
 
家族としては「老衰」と書いてほしい気持ちがある一方で、
医師としては医学的な経過を踏まえて記載する必要がある。
その“気持ちと制度のズレ”が、なんとも言えないやるせなさを生むのだと思う。
 
📰 新聞広告
葬儀屋さんとの打ち合わせで、新聞広告に載せる内容について相談した。
最初に考えたのは「満88歳」「病気療養中」。
まあ、事実です。間違ってはいない。
 
ところが担当の方が、さらっと言うのだ。
 
「行年90歳」「天寿を全う」でも大丈夫ですよ。
 
……え?
ちょっと待って。
うちの父、いま急に2歳も年を取った?
 
思わず「誕生日、増えてないよね?」と心の中で確認した。
 
でも、これは“年齢詐称”ではなく、昔ながらの数え年という仕組み。
生まれた瞬間に1歳、そして毎年お正月に歳を重ねるので、
満88歳の父は、数え年では90歳になるのだ!
 
なるほど、そういうカラクリか。
なんだか、急に父が“長寿ランキング上位”に食い込んだような気がしてきた。
 
そして「天寿を全う」
この言葉の威力がすごい。
さっきまで「病気療養中」だった父が、
急に“人生を悟りきった仙人”みたいな雰囲気になる。
言葉ひとつで、こんなに印象が変わるなんて。
 
家族としては、父の最期を「病気で亡くなった」ではなく、
「長い人生をしっかり生き抜いた」と表現してあげたい気持ちがあった。
だからこそ、この“言葉の魔法”を知れたことが、少しだけ心を軽くしてくれた。
 
臨終から葬儀、そして四十九日まで。
実際にやってみて知ることばかり。
今後も、“リアルな経験談”をお送りいたします。
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます🍀
では、また👋