10/27は四十九日だった。
また一つの節目を迎えた。
何をするでも無く過ごした。
ただよしきのことを想っていた。
夏の終わりを感じた日、よしきと過ごした時間から遠ざかることが寂しくて泣いた。あの時はまだ、よしきのいない現実を認めることが怖かった。
自分で捨てた未来を羨んで、
泣く資格さえ無いのだと自分を責めた。
徐々に現実が見え始めた頃、焦燥感に駆られるようになった。
夫や子供と共に歩みたいのに、
気持ちはあの日々に留まっていて。
早く強くならなきゃいけない、
前を向かなきゃいけない、
自分で選んだ未来なんだから、
そうなることが責任だと思っていた。
ブログを書いているうちに、気持ちが整理されていくのを感じた。
自分が何に苦しんで、何が辛いのか。
その正体が見えるようになった。
そうか。
よしきとの日々を残すことは中期目標なんだ。
前を向くために必要な時間なんだと自覚してから、気持ちが楽になるのを感じた。
強くなることも、前を向くことも、最終目標。
今できそうな短期目標は何だろう。
日々小さな目標を掲げ、
クリアしていく作業を繰り返した。
今日は洗濯をしてごはんを作る。
それが達成できると少し満足する。
よしよし、今日の私も少しだけ前を見たぞ。
愛しているんだから、
悲しいのも辛いのも当たり前で。
それを自分で失くしたんだから、
罪悪感と喪失感はきっと無くならない。
必要なことは、こうしなければと自分を縛ることでも、できない自分を否定することでも無くて。それらすべてを抱えていく、受け入れていく覚悟なんだと思う。
自然に湧く感情をただ見つめ続ける。
今の自分そのままを受け入れる。
それがきっと自分を大切にすること。
四十九日が過ぎて、日常を取り戻し始めていることを実感している。
妊娠中にも行った美容院。
担当は男性、なんでも話せる温かい人。
「なんて声をかけたら良いかわからない。」
夫もそうだったんだな。
もう普通に泣かずに話せる。
楽しく会話もできる。新しい発見。
お話会。よしきとのことを、とても肯定的に捉えていることに気付けた。退院の日に見た夢も、よしきの愛も、自己嫌悪に陥ったこともあったけど、真っすぐ受け止めることができた。
骨が無いことも、寂しく無くなった。
臍の緒が繋がっている所を見たから。
今もきっと繋がっていて、そこに話しかければ届くような気がして。
周りの人の愛に気付けた。
私は一人じゃない。
よしきを胸の中に抱いて、
これからを生きていく覚悟ができた。