当然の破談 | FUNNY DAYS

当然の破談




「ああいうのはちょっとうっとうしいなと思います」











神奈川県の松沢成文知事は19日の定例記者会見で、プロ野球横浜ベイスターズの買収交渉をしている住生活グループの潮田洋一郎会長が、宣伝目的の買収に不快感を示した知事の発言を「うっとうしい」と批判したことについて「挑発には乗りません。企業倫理の高い企業がオーナーになってもらいたい」と述べた。



一方、球団の本拠地に関しては「できれば横浜に残ってほしい。オーナー企業と地域が一緒になって盛り上げ、地域の活性化を目指したい」と求めた。



松沢知事は14日の会見で「会社の宣伝さえできればいいという論理には違和感を覚える」と

潮田会長を批判。会長は18日に「ああいうのはちょっとうっとうしいなと思います」と応酬した。














数日前に発表されましたが、横浜ベイスターズの住生活グループへの売却交渉は破談に終わりました。





ブログ冒頭の発言は、交渉中に漏れてきた住生活グループ潮田会長の言葉ですが、


まさしく上場企業の経営者らしい発言であると感じました。








批判しているのではありません。








むしろ共感しました。








平成14年~の数年間、私は北米系の外資ファンドの日本支社長として、おもに振興市場のM&Aを担当しましたが、その経験をもとに考えると、それぞれの立場の方から発せられる言葉からなるほどと思われる事情が推測されます。





通常、知名度のある企業買収においては水面下で事前協議を重ね、ほぼ合意後に初めて世間に発表されるものです(TOBを除く)





つまり、交渉中と世間に漏れてきた時点では契約間近である場合がほとんどです。


(今回はプロ野球球団の買収ということで、上場企業のように自由競争ではないので、ケースは別かも知れません)





今回もニュースになる以前にほぼ合意していたのだと思います。











それでは何故破談になったのでしょうか?








交渉過程で条件が折り合わなかったと破談後に発表されましたが、それは真実ではないでしょう。








どちらかが、途中から条件を変えたのです。








今回はTBS側でしょう。











何故なら





住生活グループにとって球団取得は必ずしもベターな選択ではないからです。





住生活グループは住宅設備メーカーのリナックスやトステムを傘下に置く上場企業です。





上場企業は株主に対する責任から経営方針その他情報開示についても数々の制約を受けています。





つまり、株主の不利になるような事業を行ってはいけないのです。





通常、宣伝になるからといって100億円単位の物件(今回は球団)を購入し、毎年20億円赤字を計上するとHPで発表すれば、それだけで株価はガタ落ちし、経営陣は責任を追求(株主代表訴訟等)されかねません。





現に球団買収が噂され始めた9月半ばに株価は急落しています。





だいたい、ブランド名の向上という理由は、楽天が球団を買収した時のように、競合他社を凌駕するブランドイメージの獲得が必要である場合にのみ効果があるのであって、すでに業界内のシェアが1位であるトップ企業が何故多額の宣伝費を投じ、将来に渡って赤字確実な球団を獲得しなければならないのか?





意味がわかりません。





株主は敏感に反応するものです。






これは経営者が潮田会長でなくても同じです。





未上場会社のオーナーであれば、道楽でも許されますが、上場企業ではそういう訳にはいきません。














それではなぜ、住生活グループが球団買収に名のりを上げたのでしょうか?








(私の勝手な予想)


住生活グループ(潮田会長)は自分から名のりを上げたのではなく、プロ野球界の重鎮から横浜ベイスターズの(TBSからの)譲渡を依頼されたのではないか?








潮田会長は今案件を前向きにとらえ、上場企業としての責務を全うしながら球団買収を纏める方向で尽力したのでしょう。





ブランド名の向上という表向きの理由はさておき





上場企業であるからには、買収時の赤字はともかく、数年後には球団事業そのものの黒字化は株主対策上、絶対条件になります。





つまり、住生活グループには





現在のままの体制で、引き続き球団を引き受けるという選択肢は最初からありません。





今は赤字でも将来は黒字になる計画のもとで初めて買収に着手できるのです。





これは検討のテーブルにつくかどうかの最初の条件ですから、ここをクリアできないようであれば


住生活グループは名のりを上げられません。





おそらく、現在の球団に圧倒的に不利な横浜スタジアムとの契約継続は頭からなかったでしょうし、


むしろ、球団誘致に積極的な新潟県等と収支改善に有利な内容の協力関係を構築できると判断し、数年内の黒字化計画をもって株主の同意を得る算段だったのではないかと思われます。





TBSも当然上場企業という立場を考慮して住生活グループに対して条件的に何等の制約も設けていなかったのでしょう。








逆に圧倒的に有利な条件で球団と契約している横浜スタジアムの筆頭株主である横浜市は、何が何でも住生活グループとの球団買収話を破談にさせる必要があったのではないかと思われます。





当然、神奈川県全体の問題でもあるわけですから、神奈川県知事が住生活グループの買収話に好意的であるはずはありません。





球団は横浜に留まるべしとの風潮が強まるよう扇動したのは誰だったのでしょう??











潮田会長、さぞ、うっとおしかったでしょうね。











それから





横浜ベイスターズ買収に意欲的だと報道された神奈川県を地盤とする家電量販会社の㈱ノジマ


ですが、交渉のテーブルにさえつかないのでしょうか





重鎮とのルートがなかったのでしょうか?





そもそも企業規模的にハイリスク過ぎると思いますが…。





ジャスダックとはいえやはり上場企業ですからね。


株主の反応も気になるところです。





それでも地元愛を前面に押し出せばこれこそ宣伝広告としては抜群の効果が期待できるでしょうね。











実は今水面下で交渉の真っ最中だったりして…。











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