『母という呪縛 娘という牢獄』 齊藤彩


を読みましたニコニコ


※虐待の話がありますので知りたくない方はスルーしてください。





この本は、「滋賀医科大学生母親殺害事件」の犯人、高崎あかり(仮名)への取材から、なぜ彼女が母親を殺(あや)めたのか、その経緯を描いたノンフィクションです。



高崎あかりさんは1986年に滋賀県守山市に生まれました。

あかりさんが小学校6年生の時に父親が家を出て以来、母と娘の2人暮らしだったそうです。

あかりさんは幼少期から医者になることを強いられて、母親の管理下で、医学部合格を目指して9年間もの浪人生活を経験しました。


あかりさんは母親の過剰な期待と暴力を受けて育ちます。

成績が良くないと罵られ、数々の身体的虐待を受けました。

小学六年生のときに母から受けた包丁の傷跡が、いまも残っているそうです。


想像を絶する関係性に読んでいて胸が締めつけられました悲しい


印象的だったのは、あかりさんは罪を犯す以前に何度も母親から逃げようとしていたことです。


誰か彼女を救えなかったのでしょうか。

どうすれば彼女を救えたのでしょうか。


虐待を受けてなお母親を思いやるあかりさんに、母親の罪深さと、子どもの愛情深さを感じました。


また、あかりさんの母親妙子さん(仮名)の常軌を逸した行動の原因は何だったのか、真相は闇の中ですが、母親の妙子さん自身に何か生きづらさがあるように思われました。



あかりさんのこれからの人生が、どうか幸福でありますように…。