春は私を本当に憂鬱にさせる(スタン・ゲッツ/アルバート・デイリー) | 今日の一曲

今日の一曲

これまでに出会った心に残る曲を一日一曲選びます。貴方の思い出などありましたら教えてください。

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Stan Getz & Albert Dailey - Spring Can Really Hang You Up The Most

 

’55年 作曲:Tommy Wolf 作詞:Fran Landesman 
 
Stan Getz (ts)
Albert Dailey (p)
Recorded:New York City, January 12, 1983
Album:" Stan Getz & Albert Dailey / Poetry "
 
若い頃は春は新しい恋をしたものなのに
今の私は、心が壊れた恋の欠けらで傷だらけ
春なんて本当に滅入るだけよ
 
陽気で明るい春の歌が多い中、この曲はむしろ春を恨めしく思う歌です。
 
昨夜犬の散歩で近くの川の側道を歩きました。満開の桜が外灯の明かりを受けて花びらのトンネルを作ってました。このトンネルは忽然と現れ、後数日もするとまた消えてしまうのでしょう。
梶井基次郎の詩に「桜の木の下には死体が埋まっている」という一節がありますが、満開の桜を見ていると艶やかな陽気さの裏側に、ふとそんな妖しさを感じてしまいます。
この歌はそこまで恐ろしい歌ではありませんが、春だからといって誰もがハッピーという訳でないのは確かでしょう。特に今日のように雨降りでは。
スタン・ゲッツとデュオで演奏するアルバート・デイリーという人は知りませんが、60年代に活躍した人のようです。
この一曲ではちょっと掴みようがありませんが、共演者として決して邪魔になるようなピアニストではないようです。