思い出のたね (パティ・ペイジ) | 今日の一曲

今日の一曲

これまでに出会った心に残る曲を一日一曲選びます。貴方の思い出などありましたら教えてください。

These Foolish Things
'36年 作曲:Jack Strachey/Harry Link 作詞:Holt Marvell
早朝に15年間常に最良の友だった愛犬(アド)が静かに息を引き取りました。日に日に衰えていく姿に覚悟はしていましたが、悲しいというより心の中にポッカリ穴が開いたような虚しさを感じます。
今朝は快晴で会社へ向かう中央線の車窓から真っ白な富士山がくっきり見えました。心に浮かぶのは、アドと共有した些細な出来事のあれこれで、殆ど脈絡も無く走馬灯のように浮かんでは消えていきます。こんなに思い出のたねが多いと、居なくなったことを納得できるまで少し時間がかかるのかもしれません。
この曲は、付き合っていた恋人が去って、見るもの聞くもの全てが、去っていった人を想い起こさせる…というしんみりとした名曲です。アドに贈るのはふさわしくないかもしれませんが、今日はこの曲にします。
演奏はともかくヴォーカルは誰が歌ってもホロッと涙がこぼれそうになる歌です。僕も下手なピアノでコードを押さえながら随分歌った曲ですが、コードを押さえるのに注意を払うため、歌の方はあまり情感バッチリとはいきませんでした。クリス・コナー、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラなどどれも泣かせる歌ですが、ここは思い切って歌の上手さは及びもつかないものの僕の歌った雰囲気に一番近いパティ・ペイジのものをアップしてアドを偲びたいと思います。