春の如くに (ローズマリー・クルーニー) | 今日の一曲

今日の一曲

これまでに出会った心に残る曲を一日一曲選びます。貴方の思い出などありましたら教えてください。

It Might As Well Be Spring
’45年 作曲:リチャード・ロジャース  作詞:オスカー・ハマースタイン
もし「好きな曲は何?」と聞かれたら、時と場合にもよりますが78%位(細かく刻むところが怪しげではありますが…)の確率でこの曲を挙げると思います。要するにその位好きな曲ということです。
大好きな曲なのでそれなりに厳選して入れたつもりですがMP-3にエンコードしたものが14曲もあります。大部分がエアー・チェックの音源で、録音データが無く、声の感じや、ソロの雰囲気から歌手や演奏者を推測するしかありませんが、名曲は名演、名唱を生むようで、どれも味わいがあり選ぶのに迷います。
中でも「The complete Paris session vol.3」のクリフォード・ブラウン(take1)は絶品です。「Lush Life」でのルー・ドナルドソンの演奏もシンプルで好きです。
この曲に出会ったのは初めて就職したスーパーマーケットのBGMでした。パーシー・フェイスかマント・ヴァーニーといったソフトなフル・バンドのものでした。その後このバージョンに出会ったことはありませんが、穏やかなセンスの良いアレンジだったと思います。BGMはルーティンなので一日に何回か同じものが掛かりますから、この曲が聞えてくるのを楽しみにしていたのを覚えています。
それ以来大好きな曲になりましたが、多分2番目に出会ったのがこのローズマリー・クルーニーのものだったと思います。これもラジオからですが、時々駅の構内に店を張るディスカウント・ショップでたまたま彼女のCDを見つけたので買いました。廉価版の悲しさ、曲名以外に情報がありませんが、最初にメロディーを取るのは多分ハリー・ジェームスだと思います。
ロージーの愛称で親しまれるローズマリー・クルーニーについてはあまり解説の必要はないと思いますが、僕がハナ垂れ小僧の時に口ずさんだ江利チエミさんの「カモン・ナ・マイ・ハウス」の本家として、また映画「ホワイト・クリスマス」でビング・クロスビーとデュエットで歌った同名のクリスマス・ソングの定番などかなり古い付き合いです。
「春でもないのに、恋に落ちちゃって、なんだか心がふわふわとまるで春みたい」というような感じの歌詞だと思いますが、彼女のあまり感情をこめない穏やかな歌い方が、かえって秘めた情熱が伝わってくるように思います。バックのフルバンドのアレンジもセンスの良い斬新なアンサンブルを聴かせてくれますが、残念ながらアレンジャーの名前は分りません。