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ご隠居カフェ 雑談ノート

退職後のヒマなおじさんが 知人たちとおしゃべり。 
世の中のいろんなことについて 好き勝手に言いたい放題の雑談ノート。 
あなたはどう思いますか?

「この夏はなぜこんな猛暑なのか?

 なぜその次に来る冬は厳しい寒さなのか?

 

などと色々調べてみたんですが、結局、 因果関係をきちんと説明するような、 納得できる答えは見つからなかったんですわ・・・。

 

ただ、それをいろいろ調べたり考えたりしていた時に、面白いことを一つ発見したんですよ、それとは全然違うことなんですが・・・。

 

発見、と言っても、 気象学のことをよく分かってる人にとっては、とっくに当たり前の常識みたいなことなのかも知れませんが、私はそういう方面の事は全く うといままで過ごしてきたため、この歳になってようやく『発見』した、というような次第で・・・」 と私。 「何のことかというと、『気圧』 のことなんですよ」

 

「気圧ですか? 高気圧とか低気圧とかいう、あの気圧の・・・」 とU さん。

 

「そうです、その気圧です。

その気圧は、気温とは逆関係にある、ということに気づいたんですわ」

 

「逆関係?」

 

「そうです、逆関係です。つまり、気圧が高いところは気温は低く、気圧が低いところは気温が高い、という関係があるんですわ。もちろん、同じ標高の場所では、という話ですけど・・・」と私。

 

「高気圧なら低気温、低気圧なら高気温、ということですか?」 とU さん。

 

「そうです、そういうことです。逆も言えると思いますよ。高気温なら低気圧、低気温なら高気圧と・・・。 ご存知でした?」 と私。

 

「いや、知りませんでしたね・・・。

私も、気象のことは真面目に勉強したことも、深く考えたことも、ありませんでしたからね・・・。

でも、本当にそうなんですか?」 とU さん。

 

「そうだと思いますよ・・・。少なくとも、基本的には。

一見、ちょっと面倒くさそうな話なんですけど、でもよく考えたら当たり前みたいな、単純なことなんですヮ。 まあ聞いて下さいナ・・・」 と私は話を続けた。

 

 

 

久しぶりに U さんのご隠居カフェが再開したのを見つけて、さっそく顔を出してみた。

「こんにちはぁ~、 お邪魔しま~す・・・」

「いやー、いらっしゃ~い。 お待ちしてましたよ~」

中からすぐに店主の U さんが顔を出した。

 

「やー U さん、こんにちは。

お久しぶりですねー。  どうですか、お元気ですか?」  と私。

 

「ええ、何とかようやく最近、少し元気が戻ってきましたヮ。

 S さんはどうですか、 お変わりありませんか?」 と店主の U さん。

 

「はい、まぁなんとかやってますわ」

「まあまあ、どうぞおかけ下さい。

それにしても今年の夏はひどい暑さでしたね~」

 

「全く異常でしたね。    地球はどうかなってしまったんじゃないですかねえ」

「ホントにそんな心配がおきますよね。

体調も少し良くなってきたかなと思った頃に、あの猛暑でしょ。

しかもそれがえんえんと続いて、また調子がおかしくなってしまいましたよ」 と U さん。

 

「一体どうした事なんでしょうね、あのひどい猛暑は。 それがこんなに延々と続く

なんてことも、これまであんまり記憶にない気がしますね・・・。

地球温暖化のせいなんですかねェ」 と私。

 

「まあそれも何らかの影響があるかもしれませんね・・・。

地球温暖化のせいだとか、 エルニーニョ現象のせいだとか、いや、ラニーニャだとか、いろんな事が言われてますよね」 と U さん。

 

「あんまり酷い暑さなので、どういう訳なんだろうと、私も少しは調べてみたんですけど、 結局、 因果関係をきちんとたどって、すじのある説明をすることはなかなか難しいみたいに思えましたね・・・」 と私。

 

「まあ確実に言える事は、夏だったから暑かった、ということぐらいですかね、ハハハ」 と U さん。

 

「何が原因でこんな猛暑が続くのか、きちんと説明できるほど単純な事ではないということなんでしょうね。

複雑すぎて因果関係を説明することは困難だけど、経験則によってある程度確率的な予測をすることはできるかも知れない、というレベルなんですかね」 と私。

 

「エルニーニョ現象が起きた時は異常気象になりやすいとか、 あるいはエルニーニョ現象が終了した後の 夏は猛暑になりやすいとか、その確率が高いとか・・・」 と U さん。

 

「猛暑の後の冬は酷寒になる確率が高いとか、因果関係はよく分からないけど、これまでの経験から推測するとそうなることが多い、とかいうことですね」 と私。

 

「となると、今年の冬は酷寒となる見込み、ということですかねえ・・・」

と U さん。

 

 

猛暑の夏もようやくおさまって、秋らしくなってきた今日この頃。
久しぶりで近所を散歩してみた。

 

U さんのカフェの前を歩いたら、これも久しぶりにカフェの玄関前に
看板が出ているのを見つけた。
看板にはこうあった:

 

    「ご隠居 Cafe
     再開のお知らせ
        ・・・
     しばらくお休みしていましたが
     本日より再開することになりました 
     倍旧のごひいき よろしくお願いします
                店主 」

 

ほ~お、そうなのか・・・。久しぶりだなあ~。

 

久しぶりと言えば、この雑談ノート(ブログ)も、あまりにも長く放置していた
ので、すっかり忘れられてしまったかも知れないなあ・・・。

 

なので再開に際して、ここでごく簡単に、自己紹介をかねてひとこと説明を・・・。

 

ご近所に住む U さんと私は、退職後のヒマなおじさん世代。
だいぶ前(今年の始めごろ)、 U さんは退屈しのぎに、自宅の一室を開放し、
自称「カフェ」を開いた。

 

カフェと言っても、そこにあるのはアメリカンコーヒーだけ。
実態は近所仲間の寄り合い場所を提供した、といったところ。 

 

もちろん誰に対してもオープンなのだけれど、実際にそこにやってくるのは
主に私で、その他には時々近所の何人かの人たちが時々、ヒマにまかせて
あらわれる、という程度。

 

集まってコーヒーを飲みながら、皆で その時々の話題について言いたいことを
言っておしゃべりを楽しんでいる、というワケ。
話題については何でもありで、誰がどんな話を持ち出しても構わない。

 

そんなカンジでしばらく続いていたけれど、その後、店主の U さんが体調を
崩したのでカフェを一旦閉じて休業し、そのまま今日に至った、というワケ。

 

≪それまでの経緯・内容はこのブログで公開していましたが、この度
それらをまとめて Kindle の eBook として出版しましたので、そちらを見て
いただけると大変ありがたく、よろしくお願い申し上げます。
またそれに合わせて、同内容の eBook とパブリック・ドメインの記事が重複併存
し続けることを避けるため、過去のブログ・ページの大部分を閉じさせていただき
ました。なにとぞご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。≫

 

で、今日久しぶりに散歩をしていて、「カフェ再開」の看板を見つけた、
ということなんですヮ。

 

そこで早速、ご隠居カフェに顔を出してみた。
「こんにちはぁ~、 お邪魔しま~す・・・」


「いやー、いらっしゃ~い。お待ちしてましたよ~」
中から早速、店主の U さんが顔を出した。

 

 

ここしばらくご無沙汰していた『ご隠居カフェ』に、久しぶりに顔を出した。

「こんにちはー。お久しぶりです」と私。
「いやー、Sさん、お久しぶりですねぇ・・・」と店主のUさん。

「いえね、ここんとこちょっと旅行に出かけてましてね・・・」と私。

「あァそうですか。それでしばらくお留守だったということなんですね・・・。
実はね、私の方も少しお話したいことがあって、Sさんをお待ちしていたんですわ・・・」
とUさん。なんだか少し元気がない。

「どうかされましたか?」と私。

「いえね、最近ちょっと体調を崩し気味で・・・。
別に重大な病気とか、深刻な状態とか、と言うことでは全然ないんですがね・・・。

少し疲れが溜まって来ているのかも知れませんわ・・・。
それでね・・・」とUさん。

なんだか言いにくそうにしながら、話を続けた。
「それでね、ここらで一度お休みにしようかな、と・・・」

「お休み、ですか?」と私。

「ええ。この『ご隠居カフェ』を一旦閉じて、
しばらくお休みにしようかな、と・・・」とUさん。

「ああ、そう言うことですか。カフェを休業、ということですね・・・。
それは残念ですねぇ。でも、体を壊してもいけませんからねえ・・・」と私。

「ええ、私も残念なんですが・・・。
またそのうちに、元気になったらもう一度オープンするかも知れませんが、
どうなるかは、今のところ分かりませんので・・・」とUさん。

「分かりました。これまでいろいろと、本当にありがとうございました。
いろいろと、とても楽しく過ごさせて戴きました・・・」と私。

「こちらこそ、これまでごひいきにして頂いて、本当にありがとうございました」とUさん。

後ろ髪を引かれる想いで、ご隠居カフェを出た。

ここらでこの『雑談ノート』も、一旦 閉じるとしよう。
お知らせ
「広義おばあさん効果を活かすもう一つの手、もう少し手軽にやる方法も考えられますよね」
と店主のUさん。

「それは?」と私。

「それは、シルバー・ベビーシッター・センター、とでも言うようなものを作るんですわ。
いわば、ベビーシッター専門のシルバー人材センターのような公的紹介センターですね。
そこに広義おばあさん達の情報を登録しておく。

登録されるのは、さっきの話に出た『准保育士』相当程度の資格を持った人たち。
だから、育児経験や講習は済ませている。
子育て世帯からの需要に応じて、センターは登録された人材を紹介・派遣する。

これは長期的、継続的な保育には適さないかも知れないけど、臨時にとか、時々とか、
というような場合には役立つんじゃないでしょうか・・・」とUさん。

「そう言えば、外国では似たような仕組みがある、とか聞いたような・・・」と私。

「そうそう、モデルはフランスの認定保育ママ制度ですかね。
一定の資格要件を備えた人が登録し、在宅でベビーシッターのサービスを提供する仕組みですね。

フランスでは保育園よりも、こっちの方が主流で、保育需要の半分以上を支えている、
と言われているようですね」とUさん。

「へーえ、フランスではそちらが主流なんですかぁ・・・。
でも・・・どうですかね、日本では・・・」と私。

「日本ではやっぱり、ベビーシッターは臨時の、一時避難的な利用にとどまるでしょうね。
理由の一つは、費用でしょうね。継続的にこれを利用したら、費用がうんとかさんでしまう・・・。

でもね、費用に関しては公的補助の有無が、大きく影響すると思いますよ。
ベビーシッターにも、保育園並みの補助を投入すれば・・・」とUさん。

「そうですね、利用は増えるでしょうね・・・。
ただ・・・私の考えでは、日本のいろいろな事情や、人々の好みから言って、
同じ公的補助を入れるなら、ベビーシッターよりも保育園に金をかけ、保育園を何とか
充実させる方が、ずっと支持されると思いますね・・・」と私。

「そうですね、私もそう思いますね・・・」とUさん。

掛け時計がチーンと鳴った。
「お、閉店時刻だ。じゃ、またそのうちに・・・」と私はカフェを後にした。
おばあさん仮説の話題から話はどんどんズレて、なんだかSFッぽい話にまで行ってしまった。

「おばあさん仮説自体は眉つばものだとしても、『おばあさん効果』というものは確かにあるし、
有効なものだと思いますよ」と私。

「ただ、日本では核家族率が70% 以上とかいわれており、孫とおばあさんが同居している
ということが少ない。 だから、残念なことにおばさん効果を発揮する機会は少ないかも
知れませんね」と店主のUさん。

「実際、これはとても、もったいないことのような気もしますね・・・」と私。
「まったくそのとおりですね・・・。何とかならないものでしょうかね・・・」とUさん。

「まあ、誰にもいろいろと事情があるんでしょうから、やむを得ないことも
多いんでしょうがネ・・・」と私。

「どうでしょうねェ、ここは少し条件を緩めて、『広義おばあさん』効果とでもいうことを
考えてみたらどんなもんでしょうかねえ・・・」とUさん。

「広義おばあさん?」と私。

「つまり、血のつながった本当の孫ではなくて、他人の孫を育てる、あるいはその手助けをする、
という仕組みを作ることですよ。

実際には、保育園のような施設で広義おばあさん効果を発揮してもらう。
保育は正規には、保育士が行うことになっていますが、その援助をする訳ですよ。

例えば、そういう役割の人を『准保育士』とか『保育援助士』とか名付けて、
そのような資格を与える。

子育てを無事やり遂げた経験者なら、カルチャーセンターのクラス程度の
簡単な講習を受ければ、資格を与える。

保育園の認可基準を少し緩和して、必要な保育士の人数の、例えば半分程度までは
准保育士でもよい、というような風に緩和する」とUさん。

「なるほど・・・。
そうすれば保育士不足の問題にも、有効な対策になり得ますね」と私。

「子育てを終わったおばあさんの立場の人だって、まだまだ若くて元気のある人はたくさんいるし、
そういう人は、資格はあるが経験の浅い保育士なんかには負けない位の戦力になるのでは
ないかな・・・。 経験につちかわれた力、ですよ」とUさん。

「そういう人が 有効に時間を活かして、仕事にもなる。
セカンドライフの生きがいにもなる・・・」と私。

「もちろんパートとかでも構わないし、時間当たりの収入は保育士と同程度とすれば、
財政負担もそんなに増えない・・・」とUさん。

「いいことずくめじゃないですか・・・・」と私。
 人間は不老長寿を目指す道を選んだ。それは、種の拡大には不利な選択だったのではないか。

「人間は 種全体の繁栄よりも、個々の個体の欲求を優先する道を選択した、
と言えるんじゃないでしょうかね」と店主のUさん。

「そういう選択をするのは、『自己』という概念を、少なくとも理解する程度に
脳が発達した 生き物だけでしょうね。

そのような生き物は今のところ人間だけか、せいぜい、その他ごく少数の一部の動物を含む
だけですね」と私。

「人間は、自己を強く認識する脳を持つから、一人ひとりの個人、つまり『個』を尊重する
道を選んだ。 そしてそれは、種の拡大には不利な道、つまり絶滅の恐れをはらむ道
でもあった、と・・・」とUさん。

「脳の高度な発達が絶滅の恐れを招いた、ということになるんですかね・・・」と私。

「まあ、敢えて言えばですね・・・。
ただ、現在の状況では、人類は大いに繁栄している、と言ってもいいですよね。

かつて同じように、恐竜が大いに繁栄していた時代があった。
しかし、巨大隕石が地球に衝突し、その結果地球の環境が激変した時、
恐竜はその環境変化に対応し切れず、絶滅した。

そういうことが再び起こらないとは言い切れないでしょうからね。
隕石衝突や大地震、巨大火山の噴火、といった自然現象の他、地球温暖化、乱開発、核戦争、
等の人為のからんだ環境変化、等々、この先どんなことが起こるか誰にも分かりませんよね。

その時、超長寿化した人類がどこまで対応でき、種を維持できるか・・・?」とUさん。

「まあ、全地球的な地殻変動みたいな、とてつもない大変動が起こったら、もう諦める
しかないでしょうが、もう少し小規模な変動なら、人類の科学技術の総力を挙げて対応すれば
何とかなるかも知れませんね」と私。

「つまり、脳の力で絶滅を回避するしかない・・・」とUさん。

「脳の高度な発達が絶滅の恐れを招いたかも知れないが、それを回避するのも脳によるしかない、
という話で一件落着、ということですかね・・・」と私。
この部屋だって 、元々はおふくろがここで暮らしてたんですよ。
2年くらい前、おふくろがなくなるまではね。

おふくろ用のお茶の間ということで、お茶を沸かしたりするための
小さなちょっとしたガス台とか流しとか、 元々あったものですよ。

で、 その後そのままほってたんですが、何も使わないでスペースをほっといても
もったいないし、なんとか 使えたらいいなー とは思ってたんです。

それにさっきも言ったように、このところ私も退職後の気ままな暮らしに
少し飽きてきていたんで、まあこんなことを始めたってわけですわ、
空きスペースを転用して。
だから、このカフェのためにはたいして手をかけておりませんよ。

それに、ウチでは提供するのはアメリカン・コーヒーだけ。
他に何にもありません。

要するに、ウチではみなさんになんとか集まってもらって、おしゃべりしてもらう、
そのための場所を提供するだけ。皆さんのお茶の間として、ね。
それだけが目的、という訳ですわ。

問題は、こんなんで皆さんに来てもらえるかどうか、ということですよね。
そこでお客さん、あなたのような方だけが頼りなんですわ。

あ、それはそうと、申し遅れましたが私は名前を U と申します。
よろしくお願いします、今後とも。
退職後の身なので、このカフェというか、この場所を「ご隠居の茶の間」と名付けましてネ。
皆さんにこの茶の間をたまり場みたいに使ってもらえれば、と望んでいるんですよ。

私と同じようなご隠居さんはもちろん、それ以外にも、若い人やお歳の人も、男の人も女の人も、誰でも気楽に来て、コーヒーでも飲んでおしゃべりしてもらえれば、とね。

ところでお客さん、どちらかへお勤めですか?---
あ~、そうですか、ご退職後、ということですか。私と同じですね。
いわばもう一人のご隠居さん、ということですね。

普段どんなことをしておられるか存じませんが、テレビばっかり見ているとボケますよ。
私の知人に実際、そういう人がいますものね。

(つづく)
今日は来ていただいて、本当にありがとうございます。
実はね、このカフェはおとといオープンしたところなんですよ。
新規開店、というやつですわ。

でもね、おとといも昨日も、お客は誰も無し。
やっぱり、もう少し宣伝とかしないと無理かなー、と思ってたんですよ。

新規開店といっても建物は古いし、室内も普通の住宅のダイニングというか
お茶の間みたいな、ごくありきたりな部屋ですし・・・。

こんな部屋でカフェを開店?
そんなんで客が入ると思うの?
一体何を考えているの?

なんて、いろいろ叱られそうな気がしますが、まぁ抑えて、話を聞いて下さいませな。

私は3年ほど前に、長年勤めた会社を定年で退職しまして、その後は悠々自適、何にも縛られることなく自由を満喫してきたんですがね、最近少し飽きてきたんですわ。

幸い生活は、ぜいたくをしなければ、ですが、なんとか年金でやっていけますので、
無理して日銭を稼がなくてもいいかなー、と考えています。
これも年金様々のおかげだと感謝しとります。

年金様々と言えば、話はちょっとそれますが、今の若者達は少し気の毒ですなぁ。
だって、一生懸命掛け金を払っても、ほんとに年金をもらえるかどうか分らない、とか
言われているんでしょ? まったく気の毒なことですわ。

でもね、私の意見ではやっぱし掛け金は払っておいた方がイイと思いますね。
私ら世代よりはブは悪いかも知れんけど、でもやっぱし、もっと頼りになる方法は
他にあんまり見当たらないでしょ? 後でしまったと思っても、手遅れですからねえ...。

いや、余計な話をしました。
話を戻しましょう。まあそんなわけで、私も最近、今の生活に少し飽きてきましてね。
なんかこう、面白いことはないかなぁーと...。

そこでひとつ、誰かとお喋りでもしてみようかと思ったんですが、
誰と?
どこで?
どうやって続けるの?  ...などなど、疑問がいろいろと。

で、いっそカフェでも開いて、もしお客さんが来たら、
そこでお喋りできたらいいかな...  なんて考えたんですわ。

そんな、お客なんて来るワケがない、と言うんでしょ?
そりゃ 私もそう思いますよ、普通は。

でも、普通でなきゃ話は別でしょ?
もしお代が普通よりうんと安かったら?...

それに近頃は、私もそうですが、 時間をもてあましている年寄りが多いんじゃないですか?
そこに目をつければ案外いけるかも? ...と思ったんですわ。

それに、元手をあまりかけなきゃ、もしだめでも、ダメージも少ないでしょ?
だから、店構えについてはほとんど何も手を加えず、
ご覧の通り、もとの住宅のまんまですよ。

元々、儲けることはまったく考えていませんから...。

(つづく)
声をかけられてしまった以上、ひっこむこともできない。
腹を決めて、中に入った。

「あ・・・、どうも、こんにちは。ここは・・カフェですか・・・?」
「はい、そうです。いらっしゃい! どうぞ、お入り下さい」

腰にエプロンを巻きつけたおじさんが出迎えて言った。
年のころは 60代後半くらい、店のマスターといったところだろう。

カフェとは言っても、普通の住宅と大差ない。玄関で靴を脱ぎ、正面の部屋に入ると
そこは一般家庭のダイニングや茶の間と変わらない感じの部屋だ。

部屋の中央にやや大きめのダイニングテーブルが一つ、その周りに数脚の椅子、
部屋の隅には予備の椅子が2、3脚、そして小さな流しとコンロ、食器棚。そんな感じだ。

「お客さんが、当カフェの第一号お客さんですよ。どうぞお掛け下さい」
マスターはそう言って椅子をすすめてくれた。

「コーヒーですね?いま入れます。うちはそれしかないんですよ」
マスターはそう言いながら、つくり置きのアメリカン・コーヒーをカップに注いで、二つ運んで来た。

一つを私の前に置き、もう一つを自分の前に置くと、テーブルをはさんで向き合って腰かけた。
あれっ? この人は店の人の筈なのに、どういうつもり?

マスターはニッコリ笑って言った。
「いやぁ~お客さん、いま、このおっさんは一体どういうつもりなんだ~って思ったでしょう?
ごもっとも、ごもっとも。当然ですよ」

そう言って、マスターは話し続けた。
「まあ、ちょっとだけ話を聞いて下さいよ。その代わりに、今日のお代はタダ、ということで。
当カフェの第一号お客さん、ということもありますし。
それに、何か他にそれ以上お願いしたりはしませんよ、絶対に・・」

そう言うと、おじさんマスターはこんな話をはじめた。

(つづく)