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N式お気楽ライフ

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トレドは人口3万余人、タホ川に三方を囲まれた切り立った崖の上にあり、難攻不落の城下町です。(「教会下」町と言った方が正しい。)

  

1561年にマドリッドに首都が移るまでここはスペインの首都でした。その前はイスラムの王城、さらに前の560年には西ゴート国の首都が置かれ、繁栄を極めたのです。

長らく忘れ去られ、寂れていくばかりの町でしたが、1986年に世界遺産に指定されると、たちまち観光客で賑わうようになりました。
今日は我々もその波に乗りました。

トレド駅
マドリッドから約30分、マドリッド⇔トレドはこの区間のみの路線で、昔のトレドの地位を象徴しているように思えます。
一路線だけののんびりした駅に到着するとその駅舎の豪華さに驚かされます。
小さな駅はアルフォンソ13世の命によりトレドの建築物に似合った立派なものにと1919年に改築されたのです。

ここから高くそびえる高台の町まではかなり歩きます。エスカレーターも設置してあるらしいが、それでもかなりのものです。

連日の観光に朝から既に疲れている2人組は 駅前から出ている市内巡りのバスに乗りました。
しかし、城壁の外から街を眺めたり、タホ川超えの絶景を眺めたり、これはこれでなかなかよろしい。

街の周りをぐるっと回り、ソコドール広場で降ろされました。市内は例によって迷路のようで、とても観光バスでは行かれません。
ここから市内巡りスタート。

地図を見てもイマイチ分かりかねるほどの路地続きですが、団体観光客の行く方向に向かえばだいたいどこでもたどり着ける。

先づはカテドラル
入場料とガイドは例のバスツアーに含まれています。

なんと!

このカテドラルはスペインで最も位の高いカテドラルなのだそうです。
壮麗さではセルヴィアの方が上に見えますが、スペインの大司教はここにいるのだそうです。

キリスト教では「神と子(キリスト)と精霊」を三位一体として崇めますが、ユーモアたっぷりのガイド氏は「フェミニストの国スペインのこの教会はマリア様(キリストの母)に捧げられた教会です。」
この祭壇にも幼子(キリスト)を抱くマリア像が真ん中にあります。

聖体顕示台は200キロに及ぶ金銀宝石で飾られています。金の一部はコロンブスがアメリカから持ち帰り、イザベラ女王に捧げたものというから当時の国際情勢から権力の在りどころから、様々頭を駆け巡ってしまう。
年に一度のお祭りにはこれが山車に乗り、トレドの街をめぐるのだそうです。(写っているのは上半分です。)

「カテドラルとバシリカの違いを知っていますか?」
みんなハテナ顔。
「カテドラルにはカーディナル(大司教)の座る席があります。つまり大司教の司る教会。」
これは司祭達の着替え室の中のカーディナル席。

分かりにくいですが、白い天井をバックに釣り下がっているのは亡くなった大司教の帽子です。
本人はその下の床下に埋葬されています。
「帽子が墓の上に落ちれば天国、外れれば地獄に行くと言われています(笑)。」
墓を覆う大理石板は結構大きいのです…
見渡すとあちこちに帽子が釣り下がっています。

奇跡の石
内陣脇には聖人が足を置いたという石が置かれています。
撫でると幸せになれるそうです。
古今東西聖者の徳にあやかりたい気持ちは同じ…

トレドは画家エル・グレコが後半生を送った地でもあります。
「この絵には2つ、当時の慣習を破った点があります。1つ目、キリストの横の甲冑を着た人物は時代考証的におかしい。2つ目、キリストより画面上に人を配するのは禁忌。」
「発注した教会は引き取りを拒否しましたが、結局元値の40%で引き取ったのです。ですからこれはグレコの最も安い絵ですね。」
しかし、透き通ったキリストの目といい、ガウンの紅色の美しさ、質感といい、素晴らしい作品です。

サント・トメ教会
教会とは思えぬ入り口付近に何度も「教会?」と聞いてしまったほど観光化しています。
ここの目玉はグレコの傑作「オルガス伯爵の埋葬」
写真撮影もいっさい禁止。
うーむ、個人的にはカテドラルのキリスト像の方がずっと好きです。

この街はダマスキナード(金銀を使った象嵌細工)やナイフが有名です。


それと一口サイズのお菓子マサパン
ケーキの飾りなどに使うマジパンの 食べられるバージョンという感じでした。

平城とは違った山城、要塞教会町トレド。なかなかに面白かった。
眼下を流れるタホ川はずっと南西に流れ、ポルトガルのリスボンから大西洋に注ぎます。

カスティーリャの女王イザベラとアラゴン王フェルナンドの婚姻で半分固まったスペインは残ったアラブ支配のアンダルシアのグラナダを攻め落とし、遂にキリスト教徒のスペインを打ち立てたのです。
その時の王城がここトレドでした。


そろそろ帰りの電車の時刻。
あちこちに立っているドン・キホーテさんにサヨナラ。