農業全書 010
間違い等あればコメントで教えてください🙇♂️
日本農書全集第9巻
家業考(安芸)・農作自得集(出雲)
神門出雲楯縫郡 反田出情仕様書(出雲) P7より
田んぼの代掻きの回り方と田植え歌
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「農業全書巻の一
農事總(総)論
耕作 第一」の続き
P55
又悪田を美田となさんとならば苗糞を用ゆべし。なゑごへとは穀のたねをあつく蒔き付けをきて、よきほど成長したるをすきかへし、糞とするを云ふなり。
其内綠豆(緑豆、もやし)を上とし、或は小豆胡麻をも用ゆ。
五六月是を厚く蒔き、枝葉さかへたるを犂きかへし殺しをきて、 春よくこなし穀田とすれば實(実)り甚だ多し。
濃糞を多く入れたるには勝󠄁(勝)れりといへり。
又曰く、晩稻(ばんとう、おくて)の跡は春を待ちて耕すべし。
其稻かぶくさらずしてかたき故多中くさらかしをき、
春耕せば牛のちから不入して犂きやすし。
又曰く、 春の耕は朝晩も宜し。
夏は夜をかぬべし(?)。
秋は日高けて耕すべし。
又曰く、犂き耕すことは農事の第一の仕立にて、其餘の計事は皆耕して後のことなれば、専ら
耕しに心を用ゆべし。
高田は深く耕し底の土までよく和らぎ熟すべし。
底に陽氣を蓄へぬれば、作り物に利潤多き事疑ひなし。
前にしるすごとく其分限より多く田畠を作る事を貪るは、なべて是農人ごとの病にて、それによりてすぎはひをあやまるものおほし。
田畠分に過ぎぬれば假令耕作法をよくしても人力たらず、其法の如くいとなむことなく、耕し種ゆる事も必ず時にをくれ、物ごと皆土地の力を盡すことあたはざるものなり。
耕作は分量より内ばにして深く耕し、委しく(くわしく)こなし、厚く培ふに利潤多しと知るべし。
又曰く、大小の農人其分限に順ひそれぞれの備へを立て、耕作をよくつとめぬれば、をのづか
ら天のめぐみも厚くして是にましたるすぎはひなき事なれども、或は愚かにして才覺機轉を用ひる事あたはず。
或は怠りて其つとめたらず、却つて咎を土地と天災とにおほせて、是只仕合(巡り合わせ)のなす事なりと口にまかせていひくらます類是多し。
皆智のくらきより出づる異なりと古人も譏れり(そしれり、批難した)。
されば其働きよけれども才覺才智足らざるものは、随分苦労をなすといへどもさらに其功なくして、必ず過分の利を得る事なりがたきものなり。
たとえば相撲取るものゝ力つよくしても、其術つたなく手をしらぬと同じ理なり。
手立と力と兼󠄁(兼)ねたるを達者とは云ふ也。
〇意訳〇
やせた悪い田を良田にしたいなら緑肥を使う。
緑肥とは種を蒔いて成長したらそのまま耕して肥えにする事。
その種とは緑豆が最も良く、小豆、胡麻も使う 。
五、六月に沢山種を蒔き、枝葉がよく成長したら耕しすき込む。
春にこれを行い田んぼとすれば実りが多くなる。
濃い肥料を多く入れるよりも良いと言える。
また遅い品種の稲の後は春を待って耕すべし。
稲の株が腐らずに固く残るので冬の間に腐らせて、春耕せば牛の力なくても耕しやすい。
また春耕は朝晩も良い。
夏は夜も放置しない(?)。
秋は日が高くなって耕すべし。
また犂き耕すことは農事の第一でその他余計な事は後のこと。
専ら耕す事に心を使う。
高田(水捌けの良い田)は深く耕して底の土までよく和らぎ熟すべし。
底に陽氣を蓄えれば作物の利潤多い。
前術したように自身の能力より多く田畑を作り貪る事は農人の病気であり、これで自分の器を誤る人が多い。
田畑を作り過ぎれば仮に耕作法を良くしても人力足らず、その法のままにできず、耕作の日時が遅れて結果、力を尽くしても実行する能力、意思が足りなくなる。
耕作は少な目の広さにして深く耕し、丁寧にこなし、厚く培うと利潤多くなると知るべし。
また大小の農人の能力に従ってそれぞれ準備をし耕作すれば自然と天の恵も多くこれに勝る生業いは無いが、あるいは愚かに才覚機転を使えない。
または怠けてその勤め足らず、かえって大地や天災のせいにして、運が悪かった(ただの巡り合わせ)などと口から出任せを言う類の者が多い。
「理屈のわからない者から出る言葉だ」と古人も批判した。
働きが良くても才覺才智が足りない者は、随分苦労をしてもその技や農法なくして、必ず多くの利益を得る事は難しい。
例えば相撲取る者の力がつよくしても、その技、術つたなく手法を知らないのと同じ事だ。
手立てと力と兼ね備える人を達人と言う。
〇感想と挨拶〇
ついに10回まで来ました
(ブログ1件につきほぼ1ページですが本文374ページあります)
ここまで読んで頂きありがとうございます🙇♂️
そしていいねをいつもありがとうございます😊
永い旅になりそうですが、よろしくお付き合いお願いします🙏
さて、ここは僕もとても耳が痛いです
一年前から相談して計画、初めての稲作を仲間とやりましたが、高内さんの言う通り
稲刈り、収穫後の作業で想定していたよりも遥かに手間がかかっています
途中でも稗(ヒエ)がボーボーに生えてきたのを人力で抜いて回ったり、倒伏したのを棒で起こしたり大変でしたが
情けなくもありますが途中で投げるわけにも行きませんのでいろんな方に協力していただいてなんとか終わりが見えてきています
人事を尽くして天命を待つ
この言葉と大自然に
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