農業全書 004
間違い等あればコメントで教えてください🙇♂️
挿絵、右の手前の方はモミをゴザの上で棒などで叩き、籾から玄米を出している所。
奥は玄米だけを分けているのでしょうか?
左は量や品質をみて俵にしているようですね。
60kgあると言われる俵を肩に担いでいます
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「農業全書巻の一
農事總(総)論
耕作 第一」の続き
P49
又古語にもいへるごとく一年の計は春の耕にあり、
一日の計は鶏鳴(けいめい)にある事なれば、未明より起きて早朝陽氣につれて田畠に出でて働くべし。
又明る日の仕事を則ち前夜より考へ定めをき、曉方(あけがた)おきて天氣の睛雨をよく見はかりて猶󠄁(猶、なお)其日の手くばりを定むべし。
耕作のみにかぎらぬ事なれども、取分き農事は萬(よろ)づいとなむわざの輕(軽)重と前後をよく考へはかり、いそぐとおもきとを先とし、事々皆心を懇に精(精、くわ)しく用ひそのそなへを致すべし。
牛馬農具糞灰等の貯へに至るまで、我作る田畠の相應(応、そうおう)よりも餘(余)計あるほどに調へ置き、勝󠄁手(勝手、具合の良し悪し)にまかせて用ふべし。
牛馬のちから弱󠄁󠄁(弱)くして農具の類あしければ農人精力を盡(尽)すといへども、 仕事のしるしはなき物なり。
必ず少しのついへ(費え)をいとはずして、かねてよき農具を用意し、思ひのまゝにはたらくべし。
しかる時はいとなむわざ心よくして覺(覚)えずしらずはか行きて、土地の心もをのづからよくなる物なり。
さて春の耕しは冬至より五十五日に當(当)る時分、菖蒲(しょうぶ、アヤメの初めてめだつをみて耕し始むる物なり。
菖蒲は百草に先立ちて生ずる物なれば、是を目當とする事也。
此外其所の草木のめだちに時分時分の目つけ心覺えすべし。
すべて田畠共に一村の内にしても所により陽の速ある事なれば、
寒氣の早くしりぞく所より段々に耕す心得すべし。
又春の耕しは手に尋いで(ついで、温めて)勞すと、犂き(すき)てそのまま耙(まぐわ、レーキ)にてかくべし。
いかんとなれば、春は風おほきゆへすきてかゝずそのまゝをけば、土かはき過ぎ、うつけ(空つけ)て性ぬくる(ぬける)ものなり。
⚪︎意訳と感想⚪︎
ここはもう全てを赤字にするか考えるほどに
重要なことばかり書いてあります
同時に当たり前な事でもあり、
ついつい仕事でも忘れて油断してしまっている事でもありますねドキッと
今の時代でも「一年の計は元旦にあり」(計とは全て)と言いますが、昔から言われているんですね
「一日の計は鶏の鳴き声にあり」
(以前田舎暮らししていた時は4時半でしたね)
明るくなる前に起きて、次第に明るくなるに合わせて田畑に出て働くべし。
次の日の仕事も夜の間に決めておき、明け方起きて天気を見てその日の手順を決める。
耕作だけでなく色々な事に通じるが特に農事は百姓(百の仕事)と言うだけ様々な技、手法がありそれらの優先順位、早急さや重大さを考え、一つ一つ心を込めて丁寧に準備すべし。
牛馬、農具、肥、灰などの蓄えまでも自分の田畑で使うより余るだけ計算して用意し、その時の具合に合わせて使う。
牛馬や道具が悪ければどれだけ努力しても成果は上がらない。
多少費用がかかっても良い道具を用意して思いのままに働くべし。
仕事が気持ち良くはかどり、土の心もおのずと良くなる。
さて春の耕し初めは冬至より五十五日に当たる日、
または菖蒲(しょうぶ)が目立ってきた頃にする。
菖蒲は百草の先に生育してくるのでこれを目当てにする。
その他耕作する土地の環境に応じて草木の状態などを毎年よく見て覚えておく。
同じ村の中でも陽氣の早い場所、遅い場所があるので寒氣のやわらぐのが早い所から段々と耕すと良い。
また春耕は深く耕したらすぐにレーキなどで細かくならすべし。
春は風が強いのでならしておかないと土が乾きすぎ、空つけて性が抜けてしまうからだ。
冬至から55日
2月17日頃ですね
※江戸時代の事や当時活躍した人物などを調べていて二宮尊徳が
出てきたりしましたが今回の内容とも近く、
日々の少しの努力、心を込めて丁寧に仕事や様々なことを進めたり
計画を立てていく。。。
少しでも人の気持ちを考えたり、
自分の気持ちに余裕を持ちながら日々暮らす事。
物価が上がるのに給料は上がらない、
外国に様々なところで負けてしまっている日本の現状を
どうにかしなければと思った時に、
少人数の飛び抜けた能力のある英雄が世の中を変えていくのではなく
一人でも多くの人が目の前の仕事や家庭、地域の身近な環境で
少しの努力と他人のことを思う行動さえあれば良くなっていくのではないかな〜と
農業全書を学びながら思う最近でした
いや〜仕事もがんばろっと
続き 005⬇️
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