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先週北タイの情報員から「ケシ畑を見つけた」と連絡が入った。
空港から四輪駆動車に乗り現場に向かったが道は悪路なんて言う半端なものではなく土の壁を登っているようだ。
でこぼこ道を2時間走ったところで道は無くなり、今度は撮影機材を背負って坂道を30分ぐらい歩き、山の斜面が開けた500坪の急斜面に赤、白、紫色のケシの花が満開に咲いていた。
栽培していたのは少数民族の一家4人。
丁度,収穫時期とあって一家総出でケシ坊主に鋭いナイフで傷を入れにじみ出てくる生アヘンを竹のヘラでそぎ落としていた。
彼らに話を聞くことにした。
ここで取ったアヘンは誰が買いに来るのか?「私達はこのアヘンは売らない。自分達で吸うために作っている。病気になったり仕事が終わった後の楽しみのため」アヘンを吸うとどういう気持ちになるのか?吸わないと禁断症状はでるのか?「始めは親が吸っていたので興味本位で始めた。吸うと嫌な事は忘れ体がだるくなり中に浮いているような感じだ。一日吸わないと体中の筋肉、骨が痛みだす」約20年前、私は北タイの阿片窟を取材したことがある。そこは小さく仕切られた部屋が20ぐらいあり、中国人が13才くらいの少数民族の少女達を裸にしてキセルに阿片を詰めさせていた。
現金収入は?町に買い物には行かないのか?「野菜、もち米などの作物を作っているが自分達で食べるため。時々山岳ガイドに案内された外国人が写真などを撮ってお金を置いていくが使い道は無い。小川に行けば魚はいるし山には猿、ノブタもいる」。
タイ政府は「タイ国内にはケシ畑はなくなった」と言っているがこの時期タイ軍が上空からケシ畑を見つけようと2月後半までヘリコプターを飛ばし続ける。
でも小規模の畑、収穫の何割かを出す栽培業者は取締りを見逃すそうだ。