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約7年前、タイ北部のチェンマイに日本から撮影クルーが来て少数民族、タイ人少女のヌードを撮影している、との噂があり取材に行ったことがある。

この時点ではまだ児童買春、児童ポルノ撮影処罰・児童保護法が施行される前であり日本の書店でも未成年の少女ヌードが出ている雑誌が堂々と売られていた。
もちろんタイではヌード撮影は犯罪であり外国人が捕まった場合、タイ人の倍の保釈金を払わなければ拘置所から出る事は出来ない。なぜ外国人の保釈金が倍なのかというと、外国人は保釈後、逃亡するケースが殆どでタイの裁判所はそれを知っていて倍の保釈金を課す。
タイのパタヤで10歳の少年を買った日本人、バンコクの路上で13歳の少女を買い逮捕後、保釈逃亡し日本に逃げ帰った男達もいた。

私はチェンマイに行き女子高生にヌード撮影をされた事があるかを聞きいたところ、チェンマイに少女専門のモデルクラブがあることを知り日本からの撮影業者を装いクラブで話を聞いた。もちろん隠しカメラを持って。
モデルクラブはデパートの2階に事務所にありスペースは小さいがファッション雑誌の切抜きやポスターなど少女達の興味を引くようなものが張ってある。高校の制服を着た少女3人が面接を受けていた。
事務所の責任者と少女達の会話。「君達何歳?親はここに来た事知っているの?」「3人とも16歳です。親にはまだ話してはいません。」「君達どこまで出来る?水着、下着、ヌード?。ヌードのギャラが一番高くて一日5000バーツ。下着は2000、水着は500」少女達はお互い顔を見合わせて「5000の方で良いです。でもタイ国内に写真が出るのは嫌だなぁ」「大丈夫。撮影に来るのは日本、香港、台湾人だけだからタイには出ないよ。もし、セックスしたら一回8000。君達処女じゃないだろう?」お互い笑いながら「相手が外国人なら考えてもいいです」「友達で可愛い子紹介してくれたら一人につき3000払うよ。それじゃ裸になって、写真撮るから。これは君達を売り込むために必用だからね」ここまでたったの5分。
私はこの事務所に何人の少女が登録しているか、売春も斡旋しているかを聞いてみた。「今いるのは約130人で少女は13歳から18歳までで約80人。少年は15歳から17歳までで約20人」「皆タイ人?売春もするの?」「タイ人と少数民族。肌の色が白くないと売れないから。裸になる子は殆ど売春するよ。男の子は欧米人が売春相手として連れて行くね」「日本の撮影クルーは多いの?」「少女撮影の6割が日本からのお客さん。来週から撮影が始まるよ」私はその日本人達が宿泊するホテルを聞き出し事務所を出た。
三日後、撮影クルー4人(全員日本人女性)がホテルで朝食を取っている隣に座り話しかけてみた。「カメラ沢山持っているけどチェンマイに撮影に来たんですか?」少し警戒している様子で「そうですよ、チェンマイの自然と人物」「私も写真が好きでチェンマイで少数民族を撮影しようと来たけど。」あまりしつこく話をすると疑われるので,この時はここまで止めた。
朝食後、彼らはホテルのロビーで待っていた少女二人と共に撮影機材を積み込み出て行った。
夕食後、彼女達がホテルのバーに入って行ったので偶然を装い横のボックスに座り「今日はいい写真が取れましたか?」というとタイの少女の綺麗なヌード写真を撮っていると話し始めた。そして日本の出版社からの依頼で何度もチェンマイで撮影している事も。「なぜ高いお金をかけてチェンマイで撮影するの?日本で撮影した方が安いし日本国内でタイ人の裸は売れないでしょう?」。ディレクターだというS女史はタイ人の少女を撮影し日本人として本に出す事、名前も日本人名で出す事を話し始めた。そのために日本から女子高生の制服、浴衣などを持参し、撮影時少女達が嫌がらないよう日本からのスタッフは全員女性にしているそうだ。

今年一月、バンコクで偶然ディレクターのS女史に会い食事をしながら話を聞いた。
「今回も撮影に来ているの?法律が改正されて出版できないでしょう」「厳しくなったから良いんです。本には出せないが世界中にネットで写真、動画などを流します。7年前の普通のヌード撮影と違い制限はありません。若くて可愛い子であれば年齢も肌の色も関係なく売れます」「捕まったこと考えないんですか?カンボジアなどで日本人が逮捕されていますけど」「今は地元の警察官と一緒にやっているけど引き際が肝心でしょうね」。彼女は今バンコクにマンションを借りタイの北部、カンボジア、ラオス、ネパールなどで撮影してヨーロッパの卸業者に素材を送っているという。