ミルクティの濃さに迷った。
「ゆっくりでいいのよ」
お母さんの声で喋る青猫のペイジ。
「ゆっくりでいいのよ」
穏やかな声は、ワルツのように。
開きっぱなしの文庫本は38ページ。
コップの水滴がつつと、表面を伝って、
芳野さんの喉を伝った。
溺れたくなる色を探した。
あとには何も残らない、夏でした。
お母さんの ヒステリックな 叫び 声が 怒鳴り声が もう一生離れない と 言うほど 頭蓋骨の内側を 反響する。
そんな9月13日です。兄が家を出て行くそうなので記念にブログを書きます。
もともと非常に、非情に仲の悪い家族ですから、だあれも兄の家出を止めたりはしません。
現にこうして、私はパソコンのキィボードをぱたぱたと打ち鳴らしつつ、SANTORYのローヤルエキス配合炭酸飲料をぐいぐいと、見栄を張っても仕方がないので本当のところはちびちびと、透明なストローで吸い上げる作業に人間のおかしみを感じているまっ最中です。
考えてみればただ同然の砂糖水と二酸化炭素をフラスコでこてんぱんに混ぜ合わせてから紅茶よりも高い値段で売り、ぼろ儲けしてやろうなんていう発想自体がユニークであるのに、ましてそれを心から美味だと感じ、愛飲している人間の味覚というのも、なかなかどうしてユニーク極まりない。
そういう非生産的なことを考えながらも、どこか頭の隅では、例えそれが間接的にであれ兄の家出の原因を作ってしまった自分の無責任な言動をよく後悔し反省している、なんて事はまるでない。
扇風機の風で顔にかかる髪の束をどうして掃うのが一番良いかと悩み悩んで「扇風機を消せば良い」という一つの結論に今、ちょうど今、達しました。
最近起こったいろいろの事が相まって、ついに解放感に部屋全体が満たされたと思ったらあとほんの少し、何かが欠けている。
今度こそ私は圧死なり溺死なり、死ぬと思ったのですけれど、無理でした。すいません。嬉し泣き用の涙は是非次の機会までとっておいて下さい。
こんな風に私は全く非道な人間で、今も一秒毎に、端から濁りを増します。
しかしお母さんなどは私よりもさらに冷血です。
食後・入浴後特有のぼうっとした私の記憶に依れば、かれこれ二時間も前から犬相手にべらべらとつまらない世間話をしています。
兄の部屋で支度を手伝うでもなく、しばらく生活する分のお金を渡す(貸す)でもなく、そもそもの家出をするという無計画な決断に抗議するでもなく。
私には、お母さんのことはちっとも分からない。
ちっともわからないのに、何故だか可哀想。可哀想でみすぼらしくて、憐れなお母さん。何も言う事が無い