エンジン価格を比べると自動車用は航空機用の半額以下で手に入れることができ、アフターパーツや潤滑油なども自動車用の方が豊富かつ低価格で販売されているため、維持費用も4分の1以下に抑えられ。さらに、燃料は高価な航空ガソリンの代わりに自動車燃料が使える。しかも、エンジンが空冷ではなく、水冷であることが有利に働くのは、次のような理由から。
空冷エンジンは降下時にエンジン出力を下げると、シリンダーが外気で冷やされ収縮します。内部のピストンは熱いままなので温度差が生じ、摩耗の原因となる。そのため降下時でも、ある程度の出力を維持しながら、スポイラーやフラップをブレーキとして使用しつつ降下するに対して水冷エンジンならば、こうした配慮は必要なく、降下時の燃料消費が抑えられる。こう言ったメリットがある航空機転用可能な自動車用エンジンのなかで、以前より人気が高かったのは、高品質で信頼性も高い日本製の自動車用エンジン。フロリダ州のヴァイキング・エアクラフト社は、スバル製の水平対向エンジンを改造して小型機用に販売し現在では、三菱自動車ならびにホンダ製のエンジンをベースに所要の改造を施した航空機用エンジンを販売している。根強い人気があるのがマツダ製のロータリー・エンジンで、小型軽量で高出力のロータリー・エンジンは減速ギヤを取り付けても、容易に小型機への搭載が可能。そのため、アメリカではマツダのスポーツクーペ「RX-7」に搭載されていた往年のロータリー・エンジン「13B」が、航空機用として再利用されていると言う。オーナーがロータリー・エンジン機を絶賛する理由は、エンジン構造がシンプルな点で、金属疲労による経年変化が起きやすいバルブやクランクシャフトなどが、ロータリー・エンジンには存在しない。そのため、ローターシールなどの消耗部品さえ定期的に交換すれば、高い信頼性を維持できると一部で人気が高い。

