宇宙飛行士が拳銃を携帯する訳 | 世界珍ネタHunter!

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ロシアの宇宙飛行士たちは、ユーリイ・ガガーリンの時代から宇宙に行く際、銃を携行していた。そもそも無重力空間にいる宇宙飛行士になぜ銃が必要なのか疑問なのだが、まさかエイリアンと遭遇した際の自衛用?1965年、アレクセイ・レオーノフとパーヴェル・ベリャーエフは、地球帰還時にロシアのタイガ(針葉樹密林)に緊急着陸した。原生林の奥地という場所の特殊性から、救助隊は2人のいる場所にすぐには特定できず、2人の宇宙飛行士はタイガの密林の中で3日間を過ごさなければならなかった。この時、2人が所持していたのはマカロフ拳銃とサバイバルナイフのみ。冬眠から目覚めた空腹の熊が近付いてきた時に、9㎜のマカロフでは太刀打ちできず、威嚇射撃にしかならなかった。幸いにも無事に救助された2人だったが、この出来事からレオーノフは「緊急着陸時に生き延びられるのが可能な、特別な武器を作る必要がある」と主張し、その開発が行われることになった。そこで、ソビエト連邦の宇宙飛行士らのために開発されたのが、TP-82という三銃身火器。トゥーラ兵器工場での設計により完成したTP-82は、リボルバー、自動装填式滑腔砲、三銃身ピストルの3つの要素を持ったショットガンに近い高性能の新型ピストルだった。上部には狩猟用32口径の滑腔銃身が2本、下部の施条銃身は5.45x39mm弾を用いる仕組みとなっており、熊や狼などの危険な野生動物から身を守るために最適だ。また、発光や音響などの遭難信号用にも使用可能な重さ2.4kgのこの銃は、取り外し可能な銃床部分に、キャンバス製の固い鞘に収められた鉈が取り付けられてあり、緊急着陸した宇宙飛行士らのまさに優れたサバイバルキットになった。2006年まで、ソ連とロシアの宇宙飛行士らはそれを携行し続けていたが、2007年以降TP-82は標準緊急装備から除外された。GPSが発達し、救助に時間を要することもなくなったことから、宇宙飛行士は10年以上も武器を携行していなかった。しかし、2019年9月、ロシア宇宙開発当局は宇宙飛行士らへの銃携行を再認可する意向であることを発表。有人宇宙船の打ち上げ場所が、今後ロシア極東に移ることを受けての再検討となったわけだが、地球への帰還時に宇宙飛行士が自身の身を危険から守るための武器の導入は、やはり必要不可欠なものであるという結論に達した。