「4バイトのRAMしか搭載されていないPCを買う気になれますか?」と共同著者のデビッド・ソマーズ教授。4メガバイトでも、4ギガバイトでも、4キロバイトですらない。4バイトだ。家庭用ゲームと比べたら全然話にならない程の記憶容量しかないのに、人間が一体どのように様々な処理を実施しているのか非常に不思議である。作業記憶とは、情報を一時的に保持し、その処理を行う構造や過程を意味する概念だからPCで言う所のキャッシュメモリに該当する。短期記憶と混同されることがあるが、両者は別物である。短期記憶は、素材の操作や統合を行わないため、はるかに多くの情報を保持できる。一方、作業記憶は通常は限られた容量しか備えておらず、従来は七つの情報の塊しか保持しておけないと考えられてきた。これは、数字、文字、単語などを単位とするものであるが、何より記憶回路ネットワークが大変である。あろうことか、その容量は四つにまで減ることになった。従来の学説では、目からの視覚情報と耳からの聴覚情報は統合され、抽象的思考が発生する前頭葉に到達するとされていた。研究チームは機能MRI実験を実施してこの説を検証してみた。その結果、前頭葉にある大きな注意ネットワークは、一方は視覚、他方は聴覚のための二つの交互的な注意ネットワークであることが判明した。
「視覚系は空間処理については素晴らしいのですが、時間処理についてはそこそこでしかありません。しかし、聴覚系では、時間処理が驚異的であるのに対して、空間処理については特に優れているわけではありません」とソマーズ教授は説明する。これは言い換えれば、例えば疾走する救急車など、ある人が空間内の物体を認識しようとしたとき、視覚は聴覚よりも優れているが、時間的間隔を把握しようとしているときは、聴覚が優れているということだ。だが、視覚的な手がかりなしで騒音の位置を思い出すなど、劣っている方を利用せざるを得ないときはどうなるのだろうか? チームはこの疑問についても取り組んでいる。実験では、被験者に聴覚を使った空間的作業と、視覚を使った時間的作業を行ってもらった。この実験からは、二つのネットワークが緊密に連携して、視覚ネットワークが空間内の出来事の認識を、聴覚ネットワークが時間経過的な出来事の認識を助けていることが分かった。
「ある意味、私たちは空間情報が視覚的なものでなくても空間を見ているわけです。反対に、時間経過的情報が聴覚的なものでなくてもタイミングやリズムを聴いています」とソマーズ博士。こうした連携によって、視覚と聴覚は互いの容量を補強しているようだ。
人間は記憶容量の少なさを視覚と聴覚で互いの容量をカバーしているって事は、これは記憶容量の少なさから直ぐに忘れてしまうから目から情報を得る為にメモし、それを何度も復唱して耳から情報を得て記憶するって感じなんだろう。

