そしてシートに収まるドライバーが、マシンのドライブを担当するサム・シュミット。過去には「世界3大自動車レース」にも数えられるインディ500でトップを走ったこともある元プロレーシングドライバーだったが、不運にも2000年の開幕前に行われたテストでシュミットの乗るマシンはクラッシュして大破。病院に運び込まれたシュミットは5週間にわたって人工呼吸器を必要とするほどの重傷を負う。幸いにもクラッシュから生還したシュミットだったが、事故の影響で身体の四肢にまひが残り、レーシングカーをドライブすることはおろか、歩くこともかなわない状態になってしまった。これまでにも、ゴールまで残り16周という時点で発生した事故により両足を失ったアレッサンドロ・ザナルディが、事故の翌年に特製のマシンに乗り込んで前年のレースでの残り周回を走りきった、というエピソードは在るが、四肢の自由を失ったドライバーが再びサーキットを走るというのは前例のない試みと言う。シュミットはこのレーシングカーSAMに乗り込み、2014年5月25日に開催されるIndy 500の当日にコースを4周ドライブする予定となっている。



