Amazeプロジェクトは、宇宙船・ジェット機や核融合炉のパーツを3Dプリンターで形成することを目的に発足し、5年以内に実用レベルでの金属のプリントアウトを実現させると言う。このプロジェクトのために、Airbus、Astrium、Norsk Titanium、クランフィールド大学、EADS、CCFE(カラム科学センター核融合研究部門)など、さまざまな分野や産業から28の機関が開発に関わっている。更に、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェーおよびイギリスでは金属3Dプリンターの工場地の準備が始まっており、産業サプライチェーンの発展も進められている。金属を出力する3Dプリンターの仕組みとしては、設計ソフトウェアが横断面から3Dモデルの形状を決定し、レーザーで横断面をエッチングしつつ、金属粉を積み重ね、熱して固形化させる。通常、金属の加工には多くの切削屑が出てしまい、しばしば貴重な加工金属と加工刃物を無駄に浪費してしまうが、3Dプリンターで金属をプリントすることで加工の際のロスはほとんどゼロになり、1kgの金属から1kgの金属部品を作り出すことができる。チタン・タンタル・バナジウムなどの高価な金属類の原材料を無駄にせずに加工できるという大きなメリットもある。Amazeはロンドン科学博物館で、タングステン合金をプリントしたオブジェクトを発表しており、3000度の高熱に耐えることのできるタングステン合金で、超高温となる核融合炉内部やロケットのノズル上で残存できる部品をプリントできる見通しがたっており、さらに2メートルを超えるジェットエンジンの金属部品やウィングのプリントも既に成功させている。ESAの新素材・エネルギー研究部門のヘッドであるDavid Jarvis氏は、「私たちの最終目標は、ボルトで締める必要のない、単一のパーツで構成された人工衛星を作ることです」と述べており、完成すれば、人工衛星を作るのに必要な数百万ユーロのコストは50%まで削減できると言う。しかし、Jarvis氏は「現段階では、多孔率が高くなってしまい、表面に小さな気泡が大量にできてしまうという問題があります」とも伝えており、この問題の解決には、宇宙開発・核融合・航空技術など工業間の連携が重要となる。
将来的には金属プリンターが普及すれば、フライス盤や旋盤での加工は徐々に無くなってくるんだろうな・・・。


