4サイクル エンジン マルチバルブ化 | 世界珍ネタHunter!

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レシプロエンジンの高出力化には、高回転化、摺動抵抗の低減、吸排気効率の改善などが図られ、体積効率の向上にはポペットバルブの大径化では動弁系の慣性質量が増大し高回転化の妨げになり、更に密封性などに問題を生じる。そのため1910年代後半以降は、特に大出力が追求される航空機用やレーシングカー用のエンジンにおいて、従来の吸気側および排気側に1個ずつバルブを設ける2バルブ形式に代わって、3個以上のバルブを設けようとする試み(マルチバルブ化)が行なわれてきた。1912年にプジョーがレーシングカーで、1気筒あたり4バルブを用いたのが最初で、その後は航空機用エンジンの空冷星型エンジンでは2バルブ、水冷V型エンジンでは4バルブ又はマルチバルブ(4~6バルブ)が用いられた。そもそも2バルブと4バルブを比較した場合、カムの開度が同じならば、2バルブに対して4バルブはバルブの有効開口面積が広がり、バルブリフト量が少なくて済むため、ショートストローク化と併せて高回転化が可能になる。その反面、構造が複雑化して部品点数が増える、適合するボア径や回転域が限られるといったデメリットも挙げられる事から、自動車用エンジンではコスト高で使用出来ないといったデリメットも挙げられ一部の例外を除いて、レース用であっても長らく2バルブが主流だった。1985年ヤマハがF2用にコスワースと共同開発した8V40バルブエンジンを発表した。当時、ヤマハのV6エンジンは世界初の自動車用5バルブであった。但し既に戦前、戦中の航空機エンジンには2~6バルブ構想があり特許出願されていた事で取り立てて珍しい技術では無くヤマハ独自の特許ではなかった事から、他社でも5バルブエンジンを製作する事が可能でありHKSではBMW M12 4気筒エンジンの腰下をベースとして5バルブ シリンダーヘッドが製作された。製作に当たってBMWの腰下を流用するので4バルブでは業界等にアピール力が少ない事と、下手をするとオリジナルのBMWエンジン以下の性能の可能性もあり得るし、ポート流量試験で5バルブトップフィードが優れていた事も5バルブの採用を後押しした。後に一般市販車で5バルブのものが市販化されているが、4バルブに比べて燃焼室形状が偏平で表面積の広い多球状にならざるを得ないため、熱損失が増す、火炎伝搬が良くないなどの問題点がある。中でもポート形状の不統一から吸気が乱流になり、気筒内にタンブル流(縦の渦流)を作りにくく、燃焼制御の妨げになる事が忌避された。更に、市販車では4バルブエンジンの吸気側2バルブを大小に分けた物もあり、同じ径のバルブを2本用いるよりもバルブ面積を大きく出来る場合があり、しかも吸気効率が改善され5バルブと比較するとコスト安であり、5バルブでは部品点数が必然的に増えて製造コスト増に見合う効果が得られにくいと判断された結果、現在では高性能エンジンも含めて4バルブが主流となってしまっている。因みにホンダではGP500へ4サイクルマシンで参戦するに当たり当時のレースレギュレーションに適合する様に1970年代末より入交昭一郎らのチームが、4バルブ1プラグの2つの気筒を1つに繋いだような、小判型長円状のシリンダーおよびピストンを持つ、1気筒あたり8バルブ・2プラグ・2コンロッドを備える楕円ピストンエンジンの開発に取り組んだ。これを搭載したNRがロードレース世界選手権などに参戦したものの、目立った成績は残せなかった。この楕円ピストンエンジンはホンダが関連特許を固めてしまったため、ライバルメーカーのヤマハは対抗上、通常の円筒シリンダーのままでマルチバルブ化にする基礎研究に着手し、1気筒あたり7バルブ・2プラグまで試作した結果、5バルブ・1プラグ前傾直列4気筒の画期的なコンセプトを持つFZ750が1985年に市販化された経緯がある。



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