尚、爆破未遂事件の概要は下記の通りである。
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昭和34年1月2日、大分市にあった旧大分空港を午後2時43分に出発し岩国空港を経由し大阪に向かうフライトプランであった全日空64便DC-3は順調に岩国へ向って飛行していた。岩国空港へ着陸するために降下中であった山口県柳井市沖の瀬戸内海笠佐島付近の上空1,000mで、機体後部のドアのワーニングライトが点灯し副操縦士がドアが開いたと客室乗務員に対して怒鳴り、直ぐさま客室乗務員から「乗客が飛び降り、ドアが開いたままです」との連絡を受けた。機長は旋回して落ちた乗客を確認するために海面を捜索したが、そのまま行方不明になった。飛行中のためドアを閉めることができず、また開いたままのドアは降機用階段を兼ねていたため、下部のヒンジ(蝶番)でわずかに繋がっていた。そのため、仮にドアが空中ではずれた場合には尾翼に直撃し破損させ、操縦不能になり墜落する危険があった。そのため機長は副操縦士に客室の警戒を指示し、ドアが外れないようにギリギリまで減速し主扉を開けたまま岩国へ緊急着陸した。ドアは最後まで機体からはずれなかった。飛び降りた乗客は大分県在住の31歳の菓子商の男で、前年に結婚した19歳の妻と新婚旅行のため広島県の宮島に向かう途中であった。客室乗務員は男に頼まれた水を汲みに行くためギャレーに行った隙の出来事であった。事故後機体を調査したところ、機体後部のトイレの便器が破壊されており、不発のダイナマイト25本が発見された。また男の妻は睡眠薬を飲まされており、飛び降りた事に気がついていなかった。捜査当局は妻に睡眠薬を飲ませて殺害しようとしたうえ、旅客機を航空事故にみせかけて爆破しようとして、点火したところダイナマイトの雷管だけが破裂し不発に終わったため、計画は失敗し男は飛び降り自殺したものと断定された。事件を起こす以前に男は他の者に工事現場からダイナマイトを盗ませたこと(この窃盗事件では2名が逮捕された)、夫婦には保険金200万円がかけられていたこと、そして目的地の宮島にいるはずの親類が存在しなかったことから、最初から用意周到に計画された犯行であったとされたが、被疑者死亡の為動機については不明のままである。
