ボールジョイント ラチェット工具には直線作業が出来ない複雑な箇所でも使用可能にするフレックスボールジョイントなるソケット工具が有る。こいつはソケット内部にフレキシブルに可動するソケットジョイントが入っていて可動範囲が多くて狭い箇所で作業するには便利な工具一つ。このボールジョイント関してWW2当時ドイツから日本へ輸入されたJu88にはアルミ合金製の型打鍛造部品が多く使われていて翼の結合部分には、このボールジョイントが使われ、どの翼を持って来ても合うように互換性を考えた構造になっていた。陸上攻撃機「銀河」の設計時にはこれを真似てアルミ合金製型打鍛造による設計にしてしまった為、中島飛行機で設計会議をした際に尾翼の取り付けに使うボールジョイントが一番問題となってしまった。構造的には取り付け金具のピロボールに合わせ袋ナットで結合する方法だが、一ヶ所だけ固定にしておけば、ボールジョイントはフレキシブルだから芯合わせが楽で、部品同士の互換性があるという事で採用したものの、一部の技師に一蹴されてしまった。そんなやり方は出来ない事はないが、鍛造部品を作らせるには外注の下請け先では大型プレス機の設備が不十分で作るにはアルミ素材からフライス盤で切削加工しなければならなく酷く手間と時間が掛かり過ぎ量産性が落ちるからもっと簡単な従来通りの普通の孔の明いた金具同士をせん断ボルトで締め付ける方法にすべきだとの意見を受け入れて設計変更された。今だったら、素材から切削加工して作り上げるよりも鋳造品を鍛造して製品として作り上げた方が加工工数が少なくコストダウン出来て量産化に向きだが、当時は外注の下請け先には型打鍛造出来る大型プレス機を備えた下請け先が殆どなかった為にアルミ素材からフライス盤や旋盤で切削加工して作り上げていた。当時は本社工場のみが生産設備が充実していたが、残念な事に末端の下請け工場には十分な設備が無く職人の機械加工技術に頼っていた。現在だったら本社工場からのコストダウン要求に応える為にNC加工機や大型プレス機等備えているのが普通だが、最近は円高の影響でそう言った設備を備えた工場が海外移転している状況になっている。