ジェット旅客機コメット号 空中分解事故異聞 | 世界珍ネタHunter!

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デハビランド コメットは、宿命を背負った飛行機とも言えた。つまり、それは航空界に限らずどんな世界でも、パイオニアが背負わねばならない宿命だった。その宿命とは、当然の事のように血塗られた生け贄を要求するものだった。しかし、乗員乗客全員が死亡する墜落事故を起し速度・高度共に前人未到の領域を飛ぶ初のジェット旅客機の名声は、悲惨すぎる程に墜ちた。
1953年5月2日、カルカッタ。それはムシムシする雨もよいの夜だった。典型的なストーミィ・ウェザーである。BOACのコメット1型(G-ALYV)はカルカッタのダムダム空港を、デリーに向けて飛び立った。流れるようなフォルムを持つこの最新鋭ジェット旅客機は、素早い上昇を披露し、間もなく地上の人々の視界から消えた。それから6分後、雨雲の彼方の空で、コメットは運命の手にとられられた。しかし、それは運命の手などではなかったかも知れない。バラバラになったコメットの残骸が夜空の雨をついて鋭く光ながら落下してきた。機体の残骸は数マイルにわたって無惨に散乱した。ダムダムの管制官は、コメットから何の緊急連絡も受けていなかった。雲の上で何が起こったのか?それが何であれ、パイロットが地上に連絡するいとまもない程、急激に襲ったものに違いない。その後の調査により、空中分解事故の直接の原因は主翼構造の破壊だと判断された。そしてその翌年の1月、イタリア近海を飛行中の英国海外航空のMk.I/IAが墜落し、乗客乗員35人が全員死亡し王立航空研究所が中心となって徹底的な調査が行われた。その結果、1955年2月に離着陸サイクルで加減圧と熱収縮の反復に晒されたことで発生した金属疲労が原因だとする、最終報告が纏められた事は周知の事と思う。これが、コメットの一連の事故に対して「科学」が下した結論であった。しかしこの結論に納得していない人々がいる。彼らは少なくともコメットのうちの1機は、UFOとの遭遇が原因で墜落したものと確信しているのだ。アメリカのドナルド・キーホーもその一人で、著書「宇宙から来た空飛ぶ円盤」の中でそう主張している。キーホーは民間のUFO研究団体「全米空中現象調査委員会」の創設者でもある。その著書の書評も「粗末な推測や潜入感が極力避けられている著作」と意外と評価が高い。キーホーの主張は、墜落したコメットのうち1機の事故原因は、UFOに違いない。ただしそれは、必ずしもUFOの敵意(つまり撃墜)を意味するものではない。折り悪く「観測」のために接近してきたUFOと不幸にも接触したのが、その原因かもしれない。と言うのが彼の主張であった。航空事故の原因をUFOに求めることは、狂信的な支持を受けるか
嘲笑に満ちた無視に出会うか、両極端に違いない。「UFO原因説は、あらゆる疑問に解答を与えてくれる」と短絡させるつもりはないけれど、確かに割り切れないものは残る。今日までに記録された痛ましい航空事故の数々の中に、いかに原因不明の件数が多いことか・・・。航空事故は破損の状態がひどいし、クルーが生存している例も少ない。従って原因の究明は困難を極めることになる。しかしそういった事情は考慮するにしても、故障や天災あるいはパイロット・ミスに帰することの出来ない例が、皆無であるとは誰にも断言できないだろう。その中に、万にひとつの可能性で、何かが残されていないだろうか?疑いは残る。しかし勿論確証はない。米空軍のUFO調査機関プロジェクト・ブルーブックの責任者エドワード・ルッペルトが、「UFOに関するレポート」で下した結論、UFOに関する心理的随伴現象を考察したカール・グスタフ・ユングの結論、つまり「何かが見えたのは事実だが、何であるかわからない」から、私たちはいまだに一歩も出ることは出来ない。コメットが墜ちた翌年、1954年6月29日、BOACのストラトクルーザー(G-ALSC)は、大西洋上でUFOに遭遇した。ジェームズ・ハワード機長をはじめとするクルー11人が、18分間にわたってこれを目撃したという。1967年3月13日、南アフリカ航空のバイカウント(ZS-CVA)が、イーストロンドン空港への最終アプローチ中に海上に墜落した。原因は不明。その数日後、イーストロンドン地域で、UFOの目撃が報告されている。かつてない悲劇に襲われたコメットの事故原因が、金属疲労であったことは、科学が証明した事実だ。しかしながら、コメットの事故全てがそうであったのかどうか・・・。そのうちの少なくとも1件、1953年5月2日のG-ALYVの事故が、UFOによるものであったかも知れないと疑問符を残す事は、血塗られたこのジェット旅客機のパイオニアに、一輪の弔花をたむけることになりはしないだろうか。








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