
一般にバイク用品店等で販売されているステンレス製キャップボルトやテーパーキャップボルトはオーステナイト系のSUS304系のボルトで、元々ステンレス鋼は普通鋼に比べて熱膨張係数が高く熱伝導率が悪いが特にSUS304の場合、普通鋼に比べて熱を約3倍伝導し難く、熱に対して約1.5倍膨張しやすいと言われている。熱を伝え難く、熱膨張が大きいので、ねじ摺動面での発熱が外部に逃げず降伏点が低く柔らかい素材が塑性流動を起こし、かじりや焼付きを誘発すると考えられる。対策としては焼付防止のためには二硫化モリブデンなどの潤滑材が効果的であるので、スレッドコンパウンド等が使われ事が多い。尚、ステンレスボルトはスチールボルトに比べて強度が高いと思われがちだが、実際にはM5のボルトでは引っ張り強度はSS400系スチィールボルトの1.7倍程しかなく、SCM材で3倍以上の強度を有するといわれている。メーカーで使われているステンレスボルトはSUS301系ボルトで冷間加工によってSUS304系ボルトよりも更に高強度。冷間加工すると磁気性を帯びて磁石に付くので、大雑把な方法ではあるがSUS304系かSUS301の判別は出来る。ステンレスは熱伝導率が悪いので、排気系や高強度を有するブレーキキャリパーにSUS304系ボルトの使用は推奨されていない。但し、メーカーの車両でもブレーキ周りにステンレスボルトを使われている車両は存在するが、SUS304系ボルトとは違うステンレスボルトが使用されている。

