ホンダ式低圧燃料噴射装置と中島式スリンガー燃料噴射装置 | 世界珍ネタHunter!

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ホンダF1(RA271)には当初、12連キャブレターが装着され公式戦に向け走行試験を行ってる過程で12個並べたキャブのフラットバルブの張り付き不具合やシリンダー全12気筒の燃焼不ぞろいが起こりジェット、ブリード、スロットル・カットオフ等の部品で対処しようとしたが、結果は改善されずに公式戦を迎えることとなった。今後の公式戦の事を踏まえ、キャブセッティングの限界から根本的な改善に至らなかったキャブレターに代わって、新たな燃料噴射装置の開発を本社に促した。RA271の2号機には、低圧燃料噴射装置が装備される事となった。ホンダ式低圧燃料噴射装置の技術的なルーツは第二次大戦中に中島飛行機で開発された航空機エンジン用スリンガー燃料噴射装置にあった。この考え方をそのまま持ってきて、歯車ポンプを噴射圧(低圧)設定ポンプとし、スロットル連動の可変偏心ポンプを調整ポンプとしてる。更に詳しく説明するならばそれは、昭和18年の終わり頃に中島の中川良一氏(戦後日産自動車専務)が思い付いたアイデアであった。スリンガー燃料噴射装置と呼ばれた由来は、低圧ポンプで加圧した燃料を多孔スリンガーから噴射し過給器のインペラーで吸入空気と一緒に攪拌された混合気がディフューザ・ベーンにより各気筒に分配されてシリンダーに送り込む方式だったからだ。この技術のポイントとなるスリンガーの頭文字をとって呼び名が付けられた。外気圧の変化に関係無く、吸入ブースト圧に応じて燃料噴射を調整するものだった。当時ホンダF1チームの監督であった中村良夫氏が戦中、陸軍航空技術研究所の航空技術中尉として中島飛行機分室へ出向いて中川氏主担当の誉エンジンの開発に関わっていた事から思い付いたのであった。この低圧燃料噴射装置は、ホンダのベストセラーカーにもなったシビックにも採用されるに至った。

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