菖蒲の花が咲き出す頃
遠い昔を思い出す。
まだ付き合い始めて間もない彼と
県内にある大きな大きな公園の中の
菖蒲苑へ行った。
園内は広く、菖蒲苑がどこにあるのか分からない。
ウロウロ歩いているとベンチに
老夫婦が座っていた。
彼に「あの人たちに聞いてくるね」と
私は老夫婦の傍へ行った
「あの、すみません、菖蒲苑はどこにありますか?」
「え?なに?」
と、お爺さん。
耳が遠いのかな?と少し大きな声で
「しょうぶえん、どこですか?」
と、聞いてみた。
少し離れたところで彼は私たちを見ている。
ちょっと待ってね。と
笑顔で目配せをする私と、にっこり笑う彼
しかし、お爺さんの表情は
何故か眉間にシワを寄せて不機嫌顔?
「今、何が何処にあるか、と?」と
険しい顔のお爺さん
「しょうぶえんです」
と言う私に
「若い娘さんが何言っているんだ?!」
「えええっ??ショウブエンですけど、、」
さっきから
ションベン、ションベンって何だ!
トイレだとか便所って言わないと
ダメじゃないか!!
「えええええ・・・?(涙)」
凄い剣幕のお爺さん、、、
しかも声がでかい!
わたし、
ショウブエンって言ったのに、、、
ションベンなんて言ってないのに、、、(涙)
振り返ると通行人皆が見ている。
もちろん彼も、、、(涙)
あの頃の私は
まだ若く恥じらいもあったので
顔から火が出るほど恥ずかしかった。
今なら、大きな声で
お爺ちゃぁーん、何言ってるのー?(笑)
小便じゃないよ(笑)
しょうぶえんだよ!菖蒲苑!(笑)
とゲラゲラ笑っているだろう。
やだね、年は取りたくない
