日本人のトランス脂肪酸の健康リスクは低い
食品安全委員会は10月20日、トランス脂肪酸のリスク評価の評価書案を発表した。
日本人のトランス脂肪酸の摂取量は総エネルギー摂取量の約0.3%と少ないため、通常の食生活では健康への影響は小さいという結論を出している。
トランス脂肪酸は脂質の構成成分である脂肪酸 一つであり、ショートニングやマーガリン、ファットスプレッド、パイ等に多く含まれる。
トランス脂肪酸の過剰摂取は冠動脈疾患リスク等を高めるとされており、世界保健機構(WHO)は総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるという目標を提示している。
海外では、トランス脂肪酸の摂取量が多い国を中心に、様々な施策が見られる。
食品中のトランス脂肪酸について強制的な遵守基準を定めている国もあれば(デンマークやスイス等)トランス脂肪酸の含有量の表示を義務化している国もある(カナダやアメリカ、香港等)。
日本においては、トランス脂肪酸に関する規制はない。
しかし、今年2月には、消費者庁はこうした海外の状況に鑑み、トランス脂肪酸の情報開示に関する指針を公表している。
この指針は法的な強制力を伴うものではないが、食品のトランス脂肪酸の含有量を表示することを期待するとし、その際の表示の仕方等についてまとめている。
厚生労働省や消費者庁等のリスク管理機関が施策を決定する際には、リスク評価結果を参考にすることが求められる。
今回取りまとめられた評価書案からすると、今後、日本においてトランス脂肪酸がデンマークやアメリカのように規制されることは考えにくい。