あめんぼくん、花火の空を見る



あめんぼくんは、広瀬川の岸辺の草むらで休みながら体の手入れをしていました。


太陽が沈んで周りが暗くなり始めると、岸辺の公園に街路灯がともりました。



「今夜は何があるんだろう?いつもより明るいかも!」


あめんぼくんは耳を済ませれまわりの様子を音で聞き取ろうとしていました。


広瀬川の土手を歩いている子どもたちの明るい声が聞こえました。


「花火、何時からあがるの?」


「それは、暗くなってからだよ」


お母さんの声が聞こえました。


「いつ、暗くなるの?早く暗くなるといいね」


小さな男の子の声が言いました。


「明日から、七夕が始まるからね!楽しみがふえてよかったね」




周りが真っ暗になったころ、水辺で大きな音がして花火が上がりました。


「わあー、きくの大輪だ!」


「凄いぞ!!」


男の子は飛び上がって喜んでいます。




あめんぼくんも草の葉のかげから、つぎつぎと打ち上げられる花火をみていました。


「だいしゃりんだ!」


「今度は、スターマインだ!凄いぞ!!」


子どもたちは大喜びをしてはしゃいでいる様子が手に撮るようにわかります。




「この花火、大船渡のおばあちゃんにも見せてあげたいね」


おかあさんがしみじみといったので、あの津波の後の大船渡を思い出しました。


「大船渡の夏祭り、来年はできるかな?」


「うん、きっと、できると思うよ」




にぎやかな花火大会の最中でも、気持ちは、あの災害を思い出してしまいます。

しかし、少しずつ復興の兆しが見えて、人々の心の中にもゆとりができてきています。