【八坂の勾玉は越後産】

越後国風土記『釈日本紀』巻六 「八尺瓊之五百箇御統」の中に、

越後国風土記曰。八坂丹。玉名。謂玉色青。故云青八坂丹玉也。

(越後国風土記に曰う。八坂丹は玉の名で玉色は青と謂う。

したがって青い八坂丹玉と云う。)」

とある。

ここで最も重要なことは、

「八坂丹」一般名詞ではなく限定的な意味を持つ名詞として

出てきていることである。

「八坂丹」は、私たちの知識では、

『古事記』(天安河の誓約)に出てくる「八尺勾璁之五百津之美須麻流之珠」、

『日本書紀』神代上第六段(誓約)の「八坂瓊之五百箇御統」

のことと考える以外にない。

越後国風土記は何の根拠かわからないが、

「八坂丹は玉の名で玉の色は青」

と言い切っているので、

記・紀の中で天照大神が身につけている「八坂丹」は

越後産のヒスイと記していることになる。