今日こそは学会報告します。
学会は先生方が研究された成果や実践活動について、口演やポスター発表されたりだけでなく、特別講演で姜尚中先生の講演もありました。
先生は熊本出身ということでした。
私は、これまで本を読んだこともなかったのですが、とてもいい話を聞かせていただきました。すっかりファンになりました!
話の内容はこんな感じでした・・・
昔は情報に直接アクセスすることはなかった。
誰か解釈をしてくれる人がいて、それを訂正したりして受け入れていた。
それは、医療でも同じで、医師から情報を得ていた。
ところが現在は、孤立化した個人が直接情報にアクセスする。
メディアなどの媒体さえもなく情報を得ることが出来る。
そうして、専門家(医師)からの知見を聞いて自分の得た情報と比較対照する。
情報過多の中で意思決定するときの最終的なよりどころはどこなのか?
自由化が進むと個性化が進むかというとそうではない。
自由化、多様化、情報化が進むと画一化が進む。
それはなぜか?
何を選択していいのかわからない。
悩む力が出来ていないのだ。
安心するために同じものを選ぶという画一化の方向での自己決定が不文律の中に起きている。
人間は悩むことは当然である。
悩まないことは、人間の最大の不幸である。
自分の人生にどういう意味があったのかは自分で決めなければならない。
表現力がなくてうまく伝わったかな?
夏目漱石のことも交えながら講演されました。
なぜ悩むかなど深い話でした。
私なりに受け取ったことは、がん患者も多くの情報をネットから得ることが出来ます。
5年生存率だの、治療成績だのいろいろな情報です。
そして、自分で得た情報と先生からの説明(情報)を比べている。
そのことを医師も患者も理解しておく必要がある。
患者は無意識のうちに比較対照した結果、不信感を抱くこともあると思います。
医師は患者へわかりやすくとか、患者に適した治療方法はどれかを判断したり、さまざまな面から患者に適した形で情報を提供ているのでしょう。
患者は勝手に比較対照して不信感を持ってしまっていることを意識できていないし、それを先生に伝える努力もしない。
先生は、患者がそのように情報を得て自分の説明と比べていることを意識できていない。
医師としてどうしてそのような判断をしたのかを伝えていない。
ここに歩み寄りがあるのでしょうか。
ここに意見の交流があって初めて、意思決定がなされるのではないのでしょうか。
そして、自分の意思で決定したつもりでも、実は数値やみんながどのように行動しているかということに振り回されているのではないでしょうか。
がんの治療は自分で決定しなければならないこともたくさんあります。
今まで生きてきた中でも体験しなかったようなつらい決定もあります。
たくさん情報があるようで、本当にそれを生かしきれているのか?
自己決定するには悩む力がとても必要なのですね。
最終的には自分の人生の意味を自分で考えなければ時代に私たちは生きている。
やっぱりうまく表現できません。
私は姜尚中先生の考え方のとても興味も持ちましたし、講演はとても感動しました。
あとは、先生の書籍を読んで理解してください。
私も「悩む力」を読もうと思います。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
学会には企業の展示ブースもあっていろんなピンクリボンがおいてありましたよ。
ホントはピンクリボン怖いです
学会参加迷った理由のひとつはピンクリボンが怖いからだったんですよ。
なのにこんなに集まっちゃったよ~。
家で一人で見るとやっぱり怖いので、しばらくは隠しておきます。