遠くでヒグラシが鳴いている。小さな声がベランダを隔てたサッシ戸から入って来る。彼らも梅雨には散々苦労させられたろうに、それでこんな時間に騒いでいるのか、涼しい夜だね、ヒグラシに呟いてみた。また今度な早い朝じゃなくて遅い夜なもので、