アヒルと鴨、どう違いますか??
ブータンの男の子と日本の女の子と、もう一人の日本の男の子、
そしてペットショップの美人店員さん
そんな人たちを取り巻いて展開されるお話
『アヒルと鴨のコインロッカー』
(→ ★ )
想像もつかないような展開のお話。
とても切なく、だけど爽やかに吹き抜ける風のように心を撫で上げるようなお話。
とても温かみのあるそんな本。
学術書もよく読むんだけど、
やっぱり何回も読み返すのは大好きな小説や絵本
想像力を掻き立てるような
そんな話が私はとても好きです。
ちなみに、
冒頭の質問に琴美はこう答えてる。
アヒルは外国から来たやつで、鴨はもとから日本にいるやつ??
ブータン人のドルジはこう答える
それなら僕と琴美はアヒルと鴨だね
結局、明確に違いがうんぬんの話はないまま
小説は終わるけど、そこがまたいい。
この本は、オンニに送ってもらって以前読んでから、
何回も読んでる。(オンニ、ありがとう)
最近は韓国の小説ばっか読んでたけど、
やっぱり日本のが好きな本が多い。
ここ最近、活字離れが進んでるって言われて久しいけど、
本を読まない人は、損してるって思う。
好きな本に出会うと、
本を読んでるだけで、
音が流れて、空気が変わって、どんどんその中に巻き込まれていく
文学を生む人はほんと貴重だなと思う。
この小説のキーになってる
ボブ・ディランの「Blowing in the wind」
死ぬことを怖いとは考えないブータン
だけど、人の生の儚さと重さを、ブータン人のドルジを通して、
感じる。
ぽかぽかした陽の光の中にいるみたいな気持ちと、
心拍数がつのる恐怖とか切なさとか、
いろんな気持ちが織り込められて気持ちがグイグイもってかれちゃう。
ブータンには鳥葬する風習があるらしい。
ほんとに宗教とか、その国の文化って面白いと思う。
だって、常識とかそんなの180度違ったりするし、
まったく違う世界を見ていたり考えていたり、
それなのに、知りあったり混じりあったり、
お互いに刺激しあって、なんだかそんな関係とかとてもいいなーと思ったりする