天は人の下に受けも攻めもつくらず


1「車輪の下」 ヘルマンヘッセ
 余りにも有名だけど、主人公がやや受け。てか、受けはだいたい周囲と馴染めてない感じがある。 じぶんだけ大人びて器量良しなのにコンプレックスがあるとか。チョコレートがじぶんだけ食べられないとか。
 主人公ハンス、ヘッセのモデルらしいですが、おばさんにもらったチョコレートが食べられないのに、無理してかじってあとは草むらに投げるのが。投げるのはちょっとかわいくねーガキなんですが、神学校の試験に落ちる夢ってのが、机のうえいっぱいのチョコレートなんですよ。じぶんだけ食べられなくて、みたいなああどっかに食べるって行為は原始的で、エロにつながるものがある気がする。だから谷崎はわざわざ、羊羹について熱く語ってるのか。羊羹理想の体現みたいなこと行ってたし。かといって机の上いっぱいなのは羊羹じゃだめだ。チョコだ。それも投げた後。


2「カラマーゾフの兄弟」 ドストエフスキー
 兄弟のうち弟のアレクセイが受け。どう考えても受け。てか、登場していきなり彼は下ネタに耐えられないとか
 もう確信犯だと思うドストエフスキー。大黒屋光太夫返せこの野郎。
 てか彼が受けだと思う。ロシアに生まれて、あんな長ったらしい作品書いて、「罪と罰」とかいたたまれなすぎる。
 娼婦への崇拝を捨てきれないところとか受けだと思う。でも誰が攻めるんだろうこんなユーラシア大陸を。
 あと『白痴』って、「完全にピュアな人間をつくろうと思った」ってのもどう考えても受け。でも
 「馬鹿でピュアな子がどうしてもすきなんです」という告白だと思えば攻めっぽい。でも、それはダニエルキイスの領域に思える。いわゆる可哀相な白痴フェチ。鬼畜攻めっていうか。
 あ、アリョーシャは兄たちに相当かわいがられてるし、イワン兄ちゃんも「好きですよ」とか言うので近親相姦ホモという道もあります。でもその道は娼婦に土下座したほうがいいです。


3「アルジャーノンに花束を」 ダニエルキイス
 てかダニエルキイスはもう性癖に片足つっこみながら一連のダニエルキイス本を出してる気がする。
 そういう意味じゃ、私の中で渋谷陽一にちかい存在。>ダニエルキイス
 主人公のチャーリイゴードンは、白痴時代は妹にいじめられたりお母さんにぶたれたり警官にボコられたりと
 かわいそうな白痴受けぶりを発揮。
 なかでも「僕のピーナツ取っちゃだめ」は金字塔だと。谷崎潤一郎とか限界にきたらこう言うことでしょうね。
 あと「お母さんにぶたれるからきみとは遊べない」も。てかフィルターかかってみるとあの本とんでもねーよ。
 どうか読み返したりしませんように。