少し前の話になりますが、夏休みに宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を見ました。
 
1 回目は夫と。ものすごい情報量で、1 回目で消化できなかったので、その後 1 ヶ月後くらいにひとりで 2 回目を見ました。
 
面白かった〜
 
今から書くことは、その時思い出した、
映画と繋がっているような、繋がっていないようなこと。
 
ふわっとした話ですが、自分にとっては大切なことなので、書いておこうと思います。
 
今までも何度か引退と呼ばれるタイミングがあった宮崎監督ですが、私の心にずっと刺さっている引退会見での言葉があります。
 
2013 年の引退会見の時の言葉。
 
「僕は児童文学の多くの作品に影響を受けてこの世界に入ったので、基本的に子供たちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが
自分たちの仕事の根幹になければいけないと思ってきた。それはいまも変わらない。」
 
「実際に監督になる前に、アニメーションというのは、世界の秘密をのぞき見ること。
風や人の動きやいろいろな表情や、まなざしや
体の筋肉の動きそのものの中に、世界の秘密があると思える仕事なんです。
それが分かった途端に、自分が選んだ仕事が、非常に奥深くてやるに値する仕事だと思った時期があるんですよね。」
 
 (2013 年宮崎駿さん 引退会見全文から引用)
 
 
2013 年と言ったら 10 年前。(ひぇーー)
 
確か、この時はまだ家にテレビがあって、会見を見たと記憶していますが、
とにかく上であげた、
 
「子供たちに『この世は生きるに値する』と伝えるのが自分たちの仕事の根幹」
 
「世界の秘密があると思える仕事」
 
というフレーズが何故か自分に刺さって刺さって仕方がなかったことを覚えています。
 
聞いた瞬間に、泣きたいくらいの気持ちになったけど、なぜかはわからなかった。
 
わからないけど、急いで携帯を手に取り忘れないようにメモをして。
 
なんだったんだろう。
 
でもいい言葉を聞いた、メモしよう♪というノリとは明らかにちょっと違った感覚はありした。
 
10 年を生きてきて、今なら、わかります。
 
そう。それがまさに
私も求めているものと共通のキーワードであったから。
 
当時はまだ子どももいなかった。
本当にやりたい仕事も見えていなかった。
 
だからそれについて
深く気づくことはできなかったけど、
だけど、私の芯の芯の部分は
ちゃんと分かってたんだなー
人間てすごいなー
ちゃんとサインを出してくれるんだなーと思う。
 
そう。
いつも身体と心はサインを出してくれている。
気づくか。気づかないか。
 
今、1児の母となった私は、ただひとつ、子どもに「この世は生きるに値するし、世界は自ら変えられる」ということを伝えたくて母をやっているし、
 
今、心の底に深く潜って願いという宝物を探す仕事に世界の秘密を感じて、それを生業にしたくて、あれやこれや試行錯誤を重ねている。
 
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この映画のエンディングテーマの「地球儀」の一節が
10 年後の今の私に響いてくる。
 
「この道が続くのは、続けと願ったから」。
 
そうだね。
本当に、そうだね。
 
今日も
明日も
明後日も
 
願って、そして開いていこう。