逢えない時間
なんだか最近俺はジュンスが好きすぎて苦しい。
スケジュールが合わないどころか、彼はワールドツアーで本当に世界を飛び回っていてまったく捕まらない。
ネットで彼をチェックしていると、あれ俺って同じメンバーじゃなかったっけ?ってくらい遠い存在のようだ。
ドラマの撮影、雑誌の取材を終えて帰って着たのは夜中の3時過ぎ。
ドラマの撮影は本当にヘビーだ。
それに加えて取材やテレビのコメント撮りなどが並行してあって、俺は音楽にしばらく触れられてない。
自宅のスタジオでの作業も手を付けられていなくて、音楽がとても恋しくなる。
ゆっくりと曲を作る時間が欲しい。
ジュンスの声を思い出しながら、彼ならこう歌うだろうとか考えながら音を繋いでいくそんな時間が欲しい。
パソコンを開いてジュンスのライブ映像を観る。
海外の公演は観に行こうと思って結局まだ行けずじまい。
彼に近く会おうという約束も果たせてない。
口だけの嫌な奴になってしまっている。
彼は「気にしないで」と最近よく見る儚げな笑顔を浮かべてむしろ俺を気遣うんだろうけれど、そんなすれ違いが俺達の気持ち離れさせてしまうんじゃないかと思うとたまらなく不安になる。
前は…ジュンスが何も、ダンスや歌やアイドルとしての能力それ以外何も知らない様な箱入りだった頃は
彼は本当に無邪気に口を大きく開けて笑った。
身体いっぱいに笑って、周りまで一気に明るくしてしまうような
みんなに愛されて、負の感情をぶつけられたことがないような
そんな彼は、様々な経験を経て
大人になってしまった。
わがままを通そうとすることがなくなって、
考えてモノをしゃべる癖は前からあったけれど
爆発した、みたいに可愛らしく止まらなくなってはしゃいでしゃべってピョンピョン飛び跳ねたり、そんなまるきり子供みたいな表現をしなくなった。
ジェジュンヒョンは手がかからなくなったな、って言ってたけれどどこか寂しそう。
あの天真爛漫な笑顔は
今は、困ったような儚い笑顔に変わっている。
ああ、隣にいて君の笑顔を咲かせたい。
そう、画面越しに思う。
茶化したり、一緒にふざけたりして君の可愛い笑顔を、
「ジュンスヤ…俺のジュンス…」
画面の向こうで微笑む彼の輪郭を指でなぞる。
触りたい。
こんな無機質な画面越しになんて満たされない。
好きという気持ちが、暴れまわって突き破ってしまいそう。
早く、早く君に会いたい
俺たち恋人同士だよね?
すこし離れただけで途端に不安になる。
君の気持ちが疑わしいわけじゃない。
ただ、淋しく思う気持ちがどんどん不安に変わってしまうんだ。
痩せて一回り小さくなった君の身体を腕いっぱい抱きしめて
肺に思いっきり君の匂いを吸い込みたい。
ジュンス、すきすき、好きだよ、ずっと俺の恋人でいて
そう彼の耳に吹き込みたい。
ジュンスはきっとくすぐったそうに笑って、首をすくめる可愛い仕草を見せてくれるんだろう。
そして「ユチョナは僕のことが大好きなんだね」とぽろりと言うんだろう。
彼の特有の、なにか綺麗なものが転がるみたいな声、話し方で
スケジュールはどんなに睨んだって変わらない。
気持ちだけが急いて、早く早くと彼に会える時間を探している。
ジュンスヤ、俺のところに早く戻ってきて
End