金原 ひとみ
ハイドラ

あたりハズレがあると思っていた金原さんの作品

前作の「オートフィクション」が良かったので期待してました


あたりはずれでなくなったような?

いいじゃん

今回も興味をそそられる本でした。



とりあえず主人公のおかれている状況は、彼女の作品にありがちな

感じなのだけれど、そこで出会ったバンドのボーカリストがねぇ

ベタなんだけど、その出会いから付き合うまでが健全で、理想的で(笑)

思わず羨ましくなっちゃいましたよ。

まぁーそのギャップっていうか、白馬の王子様が現れた!・・・・けど???ってとこが

狙いなんでしょうね




まぁ。。それはおいておいて(苦笑)




彼女は、ずっと病んでいて、同棲している彼のせいにしながら噛み吐きを繰り返し

拒食しているんだけれど。

その痩せ続けることだけが、存在意義だと。

彼に捨てられないために、笑わず・太らず、相手の言うがまま。主張や感情をもてなくなっている。


そんな彼女が、矛盾も嘘もないまっすぐな、男に出会い恋に落ちる。

自分がすぐに傷つけることが出来るであろう純粋なまなざし。

君のそのまんまを受け入れるよと言ってくれる。

その優しさと脆さが辛い。



他人に「愛されてないかわいそうな女」と思われることが何より嫌だった彼女に

とって、願ってもいない状況であるはずなのに


どうしようもなく、惨めだったりずるかったりする自分の状況に

悲しんだり哀れんだり傷ついてくれてしまうであろう彼が脆すぎて、まっすぐすぎて

躊躇する

自分が傷つかないための布石

自分によって傷つかない相手

現実と理想。

夢。



最後まで、どちらを選ぶのかは曖昧なまま



長編というわりには短くてあっという間に読み終わってしまった。

読みやすくなっているけれど、やはりとても彼女らしくて

私は好きですね





余談ですが

バンドマンの松木は、私の大好きなトータス松本さんを彷彿とさせる

ので、余計に彼を素敵だと思ってしまったのかもしれません(笑)!