奥田 英朗
家日和

奥田さん、最近はずれなしですねぇー


家をテーマにした6編の短編集ですが、どれも面白いです

伊良部シリーズみたいなゲラゲラ笑えるものはないですが

不満やグチはあっても、ちゃんと家族を愛している主人公たちの

ほんの気の迷いを、ユーモアたっぷりに書いてます


新しいものに飛びついても、関係を壊そうと思う登場人物が出てこないのも珍しいし

なんというか・・悪意とかズルさとか、負のベクトルを全く感じないんですよね。誰にも。

最後はちゃんと丸く収まって、元のさやに戻るところも

作者の性格なのか。憎めない、愛すべき登場人物たちばかりで

かわいいんです。

オークションにはまる主婦も、自分の部屋をカスタマイズするサラリーマンも。

気持ちわかるなぁーって。


私は「ここが青山」と「妻と玄米ご飯」が良かったです。




後々まで残るものではないけれど。

とても楽しい作品でした。


よいです。