彼女のこんだて帖
角田 光代, ベターホーム協会, 魚喃 キリコ

ミカ丸さんのとこで 見てずっと気になってました!

ついに借りてきましたよ!!

これはいいです。


連作で続いていく、それぞれの主人公たちの料理にまつわるエピソード
その話の終わりにはちゃんとレシピも載っています
漬物の漬け方も、うどんもピザも生地から手作り。


どの主人公にも共感できるし、ホロっとさせられます
料理をすることによって、感じる愛情。強くなる自分。伝わる気持ち
料理っていいですね。


私の一番のお勧めは「豚柳川できみに会う」かな

妻が亡くなってから、日に日に恋しくなる料理
その作り方を探して、秋男は料理教室に通いだします
妻が毎日丁寧に料理を作ってくれていたことがとても
幸せなことだったことを感じながら
ようやくその味にたどり着いたとき、


ねえ?おいしい?と妻はよく訊いた。おいしいと自分はちゃんと答えていたか。
秋男は不安になる。
それで、つい大声でいってしまう「おれはこんなおいしいものを食べていたんだぁ」


次第に酔ってくる頭のなか、16年生きたポチと妻が、だだっ広野っぱらに
並んで座り、秋男の手料理を分け合いながら食べている姿が、まるで見たかのように
思い浮かんだ。


表紙のイラストは大好きな魚喃キリコさん
そして巻末には、角田さんの亡くなったお母さんとの料理の想い出が

お勧めですね