- 著者: 村上 龍
- タイトル: 半島を出よ (上)
満を持しての登場(?!)村上龍氏の「半島を出よ」上下巻です
そりゃーもう楽しみで(笑)
うわさに聞きかじった内容では、コインロッカーのような、愛と幻想のような・・
5分後の世界のような・・・
と最近ご無沙汰していた、私の好みの作品が帰ってきたような
ワクワクして読み始めました。
今、リアルで北朝鮮や中国の半日問題がテレビをにぎわしてる中、
この本を読んでる間中、現実と小説がごっちゃになったような
不思議な気分を味わった
ほんとに小説どおりになってしまうではないか。
高麗遠征軍、イシハラ軍団(笑)以外の多くの人たちが
描かれているので、その人たちがどっかでつながっていくのかな??と
思うとそうでもない。
日本の色んな場所でそれぞれの思惑がからみながらの現状、という意味では
不可欠だったのかもしれない。
上下巻に及ぶ長編の中では珍しく、主役というものがはっきり
決まっていないようなところもあり
それぞれにおいて、生い立ち等は説明があれどあまり掘り下げて
なかったのが、残念。登場人物が多すぎて、散漫になっているような。
もっとこの人について、この件について、知りたい、という気持ちにもなった
それでも、このご時勢に、このテーマ、これだけのストーリーを
こんなリアルでありつつ面白く書けるなんてさすが!
ほんとうにあっという間に読み終わってしまった。
日本の世界の中での位置付け、他国との交渉ができないところ
など現実そのものの箇所と、イシハラ率いる個性派集団の反撃という
現実ではありえない状況の、混ざった感じが面白い
実際、読んでる間、自分は高麗遠征軍に対しての嫌悪感のようなものは
感じず、どうなるのかな?と思うだけで、福岡を日本に返せーー!などとは
思わなかった
が、下巻にはいってから、どこかでやっぱり日本の国民性のようなもの
(上巻では日本政府の対応や責任の擦り付け合いで最悪だった)
が自分の中で、いいものとして思えてきたのも事実、なんかうまく書けないけど
イシハラが言う
「テロも殺人も暴力も素晴らしい、でも戦争はダメだ、それは戦争が多数派だからだ
少数派では戦争は負ける、戦争をしたがるのは多数派しかいない
モジョリティ(多数派)は最悪だ、村も町も国もモジョリティの利益を優先させるから。
国家はモジョリティを守るという必要性に迫られて生まれてきたんだよ
この国では多数派から遠く離れるのは本当に難しい
多数派にはいっちゃだめよ、多数派にはいるくらいなら人を殺したほうがモアベターよ」
これはもちろん、超ーー極論ではあるが、こんな風に思う日本人がほんとに
少ないのも事実(殺人うんぬんではなく、多数派という点で)
それによってこんな事態になっちゃってんの。
そんなこんなで、やはり村上龍さんは好きだ
もっとこの手の作品、もっと下品だったりエロかったりしてもいいけど(笑)
そういうのをどんどん書き続けて欲しい。
久しぶりにドキドキした本だった
- 著者: 村上 龍
- タイトル: 半島を出よ (下)
