「ちわっ!」
振り返った彼女が
笑顔を向けてくれた
おぼえていてくれたことが
嬉しかった
これはもう運命だと
確信する若い日の私
半ば強引に
仕事終わりに会う約束を取りつけた
彼女とは
近くのカラオケバーに行った
もっと気の利いたところに
行くべきだったかもしれないが
当時の私は
その店くらいしか
知らなかった
たいてい暇だから
貸し切り状態でゆっくり過ごせる
憩いの場