私が勤めるバーのオーナーは
数店舗を経営していた
彼女はその中の
洒落たレストランの名前を告げた
それぞれの店で不足品があり
買うほどではない場合
系列の店同士で
よく貸し借りをしていた
それが
店の使いとして
現れた
彼女との出会いだった
さすがに
何だったかは忘れたが
私は必要なものを
彼女に手渡すだけじゃなく
自分のチャリを出し
彼女を
店まで送っていった
言っておくと
私の店はまだ
開店前だったからだ
彼女をチャリの後ろに乗せ
走った風景を
今でもよく覚えている