目の見えない花でしたが
その美しさから
多くの縁談が舞い込みます
訪ねてくる相手とは
きちんと向き合い会話を交わす
花でしたが
その後で決まって
「気が進みません」
と一言
両親はいつも
花の気持ちを尊重していました
"花らしく生きてほしい"
それが両親の願いでした
もともと花には
別の名前が用意されていました
けれど
目が見えないとわかった日に
両親は名前を"花"に変えました
野に咲く花には
いろんな姿かたちがあり
それぞれの美しさがある
そんな想いで名付けた
”花”