一瞬
身を固くした雲海でしたが
村人が
紋を助けようとしていることに気づき
静かに身を引きました
村人たちは
数人がかりで紋を抱え上げ
空き家の中に運びこみました
瀕死の状態の紋でしたが
命は
とりとめたのです
そこから
10日間眠り続けた紋でしたが
村人たちの献身的な看護のかいあって
日を追うごとに
元気を取り戻していきました
紋の人とは違う顔について
恐れたり悪く言う人は
もう
ひとりもいません
盗賊たちに
たったひとりで立ち向かった紋
その姿を
村人たちは
ちゃんと見ていたのです