次の日から
雲海の挑戦がはじまりました
昨日より今日
今日より明日
ちょっとずつ
ほんとに
ちょっとずつ
若い熊との距離を
縮めていきます
若い熊はせかすことなく
辛抱強く待っていました
長い時間をかけて
とうとう雲海は
若い熊の鼻先にそっと触れることができました
畑仕事をしながらも
薪拾いをしながらも
紋はいつも
雲海に気を配っていました
知らん顔しながら
ずっと気になって
しかたありませんでした
だから
その光景を見た紋は
とても喜び
そして
どこか寂しくもありました