ある日
森で薪を探していたところ
熊の親子に出くわした紋
母熊は深手を負ったようで
命が尽きてから
何日かたっているようでした
そんな母熊の懐で
身体を丸めうずくまる
子熊
紋はそっと
熊の親子に近づきました
物音に気付いた子熊が
ゆっくりと顔を上げます
その目には
深い悲しみが浮かんでいました
「オメェのおっかさんも
逝っちまったんだな」
紋はやさしく
子熊を抱き上げました
「オイラとおんなじひとりぼっちか」